人生の転機に響いた、スティーブ・ジョブズ最後のアドバイス
Geomagicの創業者で、テック業界のパイオニアであるピン・フー(Ping Fu)氏は、スティーブ・ジョブズ氏が2011年に亡くなる少し前に、そのベッドサイドに呼ばれました。 ジョブズ氏は、パラマハンサ・ヨガナンダ氏の著書『あるヨギの自叙伝』(邦訳:森北出版)をフー氏に渡して(この本は、ジョブズ氏の葬儀でも参列者たちに配られました)、彼女の手を握ったそうです。
ジョブズが最後に残した言葉
Inc.のポッドキャスト番組『Your Next Move』に出演したフー氏は、次のように語りました。 どれだけ成功しても、どれだけ最高の存在になろうとも、いまの私には何の意味もない。家族と過ごす時間、子どもたちと過ごす時間がもっとほしい。私がほしいのはそれだけだ。私の二の舞にならないようにね。 フー氏がジョブズ氏と出会ったのは2001年のこと。それはフー氏が、ノースカロライナ州モリスビルで、3Dソフトウェアプロバイダー、Geomagicを設立した5年後のことでした(この設立により、フー氏は2005年に、Inc.のEntrepreneur of the Yearに選出されました)。 2013年には、ソフトウェアエンジニアリング会社の3D Systemから、Geomagicを買収したいという申し出がありました。 最初、フー氏はそれを断わってCEOとしてとどまりたい誘惑に駆られましたが、ジョブズ氏の言葉を思い出して、「手放すことを決断」しました。 「人生の大きな転機でした」 そして彼女は、3D Systemの最高アントレプレナー責任者になり、触覚センサーメーカーGelSightの会長になり、オバマ大統領(当時)の顧問になりました。 テックイノベーター、ファウンダー、そしてリーダーとしてのキャリアを通じて、フー氏は、こうした人生の転機を幾度となく経験してきました。 というわけで今回は、そんな彼女が、変化を受け入れ、手放すことで学んできた教訓を3つ、みなさんにご紹介します。