最高の贅沢は「税込み1,000円以内」のサイゼリア…月収17万円、33歳非正規女性の悲鳴【ルポ】
もうクタクタ…ゆとりのないアルバイト掛け持ち生活
とはいえコロナが収束していないのだから、アルバイトを探すのは簡単ではない。 「働ける日数、1日当たりの勤務時間が限られるんです。1つのアルバイトで1日4時間、週4日勤務。こんな感じです」 これでは月収7万円がいいところ。とても生活できないから曜日、時間帯をずらしてもう1つ、更に夜間のみの仕事を週3日追加。3つ合わせてようやく月収17万円という状態だ。 「1日に3つの仕事を掛け持ちすると身体には負担です。体調があまり優れないときはパンクしそうになります」 今のスケジュールはというと、朝8時から正午までは食品ミニスーパーで接客・販売、商品陳列など。帰宅して午後2時から6時まではホームセンターで配送手配、リサイクル処理などに関する事務作業。更に月水土の3日間は夜7時から10時まではファストフード店のカウンターで販売業務。 「3つ重なった日の夜はクタクタで何もしたくない。帰宅できるのは23時頃なので食事するのも億劫です」 食べないと身体が持たないから無理して何か口にするが、冷凍保存してあるご飯を解凍してインスタントみそ汁をかけたねこまんま、食パン2枚とコロッケ1個、玉子1個入れただけの煮込みうどんなどで手のかかる料理は作れない。 「疲れているときはお風呂も面倒になります。シャワーを浴びるだけです」 午前中の仕事がない日は起きるのが11時頃。10時間近く眠ってようやく少し元気になる。 「月に3日、ないし4日は完全にお休みという日があるのですが、どういうわけかお腹が空いて仕方ないんです。3度の食事以外にクッキー、スナック菓子、カップ麺、バナナなどを食べてしまうことがあります」 食欲不振とドカ食いの繰り返しで体重の増減が激しく、肌荒れやニキビができることもあるという。 「生活は今のところなんとかなっています。余裕はまったくありませんけど」
買い物は閉店間際のスーパーと100円ショップだけ
月収約17万円に対して支出はどうかというと、家賃とその他の固定費を合計すると7万7,000円。更に社会保険料が約3万8,000円で、残るのは5万5,000円前後になる。 「ここから借金を返さなきゃならないんです。消費者金融とかカードのリボ払いじゃありませんよ。奨学金という名の借金です」 日本学生支援機構から貸与されたのは第二種奨学金で月額4万円。4年間で借りた総額は192万円にもなる。「元利合わせた返済額は月1万1,340円です」返済は15年間180回払いなので返済総額は204万円ほど。 「これは何がなんでも返済しないといけません」 連帯保証人は父親、もう1人の保証人は兄。「わたしが返済を滞らせたら父や兄のところへ請求書が行く。そんなことは絶対に避けたいから」 手元に残った5万5,000円から奨学金の返済分を抜くと、純粋な生活費として使えるのは4万3,000円ほどだ。 「食費は絶対に1万8,000円以内に収めるようにしています。だから買い物は閉店間際のスーパーと100円ショップだけです。値段のことを気にせず欲しいもの、食べたいものを買いたいと思うことがあります」 最高の贅沢はアルバイト代が入ったときだけ行くサイゼリヤでの食事だが、税込みで1,000円が上限。 化粧品も洋服も節約が当たり前 お洒落とも無縁で、女性には必需品の化粧品も倹約対象だ。以前は資生堂や花王の化粧品を使っていたが、今は低価格のちふれ化粧品か100均で売っているものが定番。 「服はバザーで調達することがあります。リサイクル店より安いから」 幼稚園、社会福祉団体、宗教団体などが主催するバザーで手に入れたものは、ウインドブレーカー、セーター、ジャージなど。どれもタダ同然の金額だった。
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