英中銀が利下げ示唆ならポンドにリスク-強気の取引が07年来の高水準
(ブルームバーグ): ポンドの上昇を見込む取引が過去17年間で最高水準に達しており、イングランド銀行(英中央銀行)が今週利下げを示唆した場合、ポンドは反落するリスクがある。
米商品先物取引委員会(CFTC)の12日までの週のデータによると、ヘッジファンドは依然としてポンドに強気で、資産運用会社はショートポジションを減らしており、ポンドに強気のポジション全体は2007年7月以来の高水準となっている。ポンドは今年、10カ国・地域(G10)通貨で最高のパフォーマンスを記録した。
ポンドへの強気は、英中銀の利下げが米連邦準備制度や欧州中央銀行(ECB)よりも遅くなることを前提にしている。しかし、ゴールドマン・サックス・グループなどは、今週のデータでインフレが予想以上に鈍化した場合、英中銀が早めに動く可能性があると警告している。投資家がロングポジションを解消した場合、ポンドはリスクにさらされることになる。
ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア銀行(BBVA)のG10FX戦略責任者、ロベルト・コボ・ガルシア氏は「現在のポジショニングでは、ポンドの上昇余地は限定的であり、ネガティブなニュースがあれば調整の引き金になる可能性がある」と指摘。「春にインフレや雇用統計が弱くなれば、ポンドは夏にかけて低い水準で取引されるだろう」と述べた。
短期金融市場では21日の英中銀の政策決定に先立ち、8月に初の0.25ポイント利下げが実施されると見込まれている。シティグループとゴールドマンが予想するように、6月までに金融緩和が実施されれば、数週間以内にロングポジションが削減されるだろうと、BBVAのガルシア氏は語った。
原題:Bets on Pound Rally Climb to Highest Since 2007 Ahead of BOE(抜粋)
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Naomi Tajitsu