祖父ががんになったので、治療費のため副業を始めるつもりです。なるべく稼ぎたいのですが、本職と副業の合計労働時間は何時間が限度でしょうか。
がんになると多額の治療費が必要になる可能性があります。そのため、祖父のがん治療のために副業を始めるのはよい考えであるといえます。ただし、副業には本業と合計した労働時間に限度が設けられているため注意が必要です。本記事では、労働時間の限度やそれ以外の副業を始める際の注意点と、主ながんの平均治療費などについて解説します。
がんになると治療費はどれくらい必要か?
がんの治療にかかる費用にはどのような種類があって、主ながんの平均治療費はどのくらいなのでしょうか。 ・がん治療にかかる費用の種類 がんになると、検査、手術、放射線治療、抗がん剤や治療薬、先進医療、差額ベッド、通院などの費用がかかります。 ・公的保険が適用されない費用 先進医療、差額ベッド、未承認の新薬、通院などにかかる費用に公的保険は適用されません。そのため、これらの費用は原則患者の全額自己負担です。 ・主ながんの平均治療費 日本対がん協会が、2005年1月~2015年9月までの保険組合のデータを用いて、5年間のがんの平均治療費(入院費、外来費、総医療費)を比較しています。それによると、食道がんが568万円、大腸がんが484万円、肺がんが374万円、胃がんが244万円となっています。
患者が70歳以上で低所得者の場合の治療費
前項目で見たように、治療が長引くと数百万円単位の治療費が必要になります。最も高い食道がんの場合だと、公的保険による3割負担を用いたとしても、5年間の自己負担額は398万円になります。ただし、日本には高額療養費制度があるため、患者が低所得の70歳以上であれば自己負担額の減額が可能になります。 ・高額療養費制度とは 高額療養費制度は、病院や薬局などの窓口で支払う1ヶ月の治療費が上限額を超えた場合に、その超過分が支給される国の制度です。 ・患者が70歳以上で低所得の場合の自己負担額 患者が70歳以上で低所得の場合だと、高額療養費制度適用後の自己負担額の上限は次のようになっています。 (1)年金収入のみ(80万円以下)の住民税非課税世帯の場合は、個人ごとの外来の上限額が8000円、世帯ごとの1ヶ月の上限額が1万5000円です。 (2)(1)以外の住民税非課税世帯の場合は、個人ごとの外来の上限額が8000円、世帯ごとの1ヶ月の上限額が2万4600円となっています。