【イベントレポート】吉沢亮「ぼくが生きてる、ふたつの世界」で言葉を伝える大切さに触れる
映画「ぼくが生きてる、ふたつの世界」の完成披露上映会が本日9月5日に東京・新宿ピカデリーで行われ、キャストの吉沢亮、忍足亜希子、監督の呉美保が登壇した。 【写真】笑みを浮かべる吉沢亮と忍足亜希子 本作の主人公は、耳が聞こえない両親のもとに生まれ、コーダ / CODA(Children of Deaf Adults)として育った青年・五十嵐大。彼は幼い頃から日常的に母の“通訳”をしており、周囲から特別な目で見られていることに戸惑い始める。大人になった大は故郷を離れて暮らすが、帰郷したある日、記憶の底に隠れていた母への気持ちがあふれ出す。 五十嵐大による自伝的エッセイをもとにした「ぼくが生きてる、ふたつの世界」。大を演じた吉沢は「コーダという特殊な環境の物語ではありますが、家族の関係性、親子間での愛情の変化、純粋に素晴らしいお話だと思ったのでぜひやらせていただきたいと思いました」と出演の決め手を明かす。「きみはいい子」以来の長編映画となった呉は「吉沢さんは美しい人。その中にある“美しくない何か”を見たいと思った。今回の企画がまさにフィットすると思いオファーさせていただきました」と語る。 大の母・明子役の忍足は、「正欲」の港岳彦が手がけた脚本について「気持ちがスッと入ってくる。息子の気持ち、母としての葛藤、細かいところまで書かれている。読んでいて、時折泣いたりもしました。この作品に参加できて本当によかったです」と感慨深い様子。吉沢との初共演には「ドキドキわくわくしていた」そうで、「手話も少しずつ習得されていて、その姿に感動していました」と振り返る。吉沢は「すごくチャーミングで素敵なお母さん。忍足さんと(主人公の父を演じた)今井(彰人)さんの手話はすんなり入ってくる。お二人の手話に勝手に愛情を感じています」と笑みを浮かべた。 本作は第26回上海国際映画祭コンペティション部門をはじめ、第42回バンクーバー国際映画祭パノラマ部門、第68回ロンドン映画祭コンペティション部門に出品され、海外でも高い評価を受けている。吉沢は「光栄の限りです。国や文化を問わず、観ていただいた方に伝わる普遍的なテーマなんだと思いました。これからもっともっと作品が広まってくれたら」と述懐。呉は「日本での公開を前に、こんなにうれしい朗報はないです!」と喜びをあらわにした。 最後に吉沢は「この作品に参加させていただいて、言葉を伝える大切さを改めて感じました。手話の世界は愛にあふれていて、気持ちは伝えなきゃ伝わらないんです。この映画を観てそれを感じ取っていただけたらうれしいです」とメッセージを送った。 「ぼくが生きてる、ふたつの世界」は9月20日より新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほか全国で順次公開。 (c)五十嵐大/幻冬舎 (c)2024「ぼくが生きてる、ふたつの世界」製作委員会