外国籍住民が増加する尼崎市、共生へ向けた計画まとめる…社会増の半数以上
兵庫県尼崎市は、増加する外国籍住民が安心して暮らせる社会の実現へ向けて、施策をまとめた「あまがさき多文化共生施策アクションプラン」を策定した。言葉の壁を解消し、仕事や生活の環境を改善するため、今後3年間で重点的に取り組む。 【地図】兵庫県尼崎市
人口動態調査(2023年度)によると、同市では、転入者数が転出者数を上回る「社会増」が1765人で、うち976人が外国人の転入だった。国が、働き手不足を補うため外国人材の受け入れ拡大を進める中、工業都市・尼崎は今後も外国籍住民の増加が予想される。プラン策定には、こうした背景がある。
プランは▽働きやすい環境の整備▽暮らしやすい環境の整備▽学び・育む環境の整備――の3本柱。それぞれで具体的な取り組みを定めている。
「働きやすい」では、外国人を雇用する上での基礎知識を学べる中小企業向けセミナーを新たに実施するほか、日本語能力アップなどにかかる経費の補助金を拡充する。「暮らしやすい」では市政情報やハザードマップの多言語化、「学び・育む」では、学校への放課後日本語ボランティア派遣による児童生徒らへの支援、小中学校への通訳機器導入などを盛り込んだ。
松本真市長は「多様な文化的背景を持つ者同士が、お互いの価値を認め合うことが大切。違いを認めないことは文化的衝突や差別を引き起こすことにもつながりかねず、早めに手を打つべきだと考えた」と話した。