【独自解説】「より完全な安全性を保とうというモチベーションがない」なぜ4年半も気づかれなかったのかー?三菱UFJ銀行の貸金庫で起きた“十数億円窃取”―巧妙な手口と、旧態依然の「貸金庫ビジネス」のウラ側
Q.今回、被害者60人と言っていますが、解雇になった銀行員と、被害を届け出た方の証言なので、その被害がどこまで広がっているかは分からないということですか? (メガバンク元支店長・菅井敏之氏) 「はい。60人というのは元行員が言っている人数で、それに対して、被害者はもっといたというのが会見で明らかになりましたが、それを数えると100人ぐらいの人がいて、今、それぞれ、このぐらいの被害を受けたというすり合わせをしている最中だという説明でした」
■「『これはチェックしてないな』ということが、情報として分かっている」元行員の巧妙な手口と銀行のずさんなチェック体制とは?
貸金庫はどのように開けたのでしょうか。貸金庫の開錠には2種類の鍵が必要とのことです。『顧客が保管している鍵』と、『銀行が保管している鍵』です。ただ、『顧客保管の鍵』については、紛失した時のために、銀行が予備で合鍵を持っているとのことです。 この予備の鍵については、契約の際に専用の封筒に入れて、『顧客の印鑑』と『銀行側の印鑑』で封筒に割り印を押します。そして、封筒に入った予備の鍵は専用の収納庫で管理されますが、元行員の40代女性が、この鍵の管理者でした。
そして、ずさんなチェック体制も会見で明らかになりました。まず、予備の鍵のチェックについては、銀行の子会社が半年に1度、予備の鍵の数や、保管状況などを確認するものの、割り印の照合や届出印の確認は行っていなかったといいます。 また貸金庫の部屋の入退室や、開錠については記録が残るとのことですが、防犯カメラ映像を含め、定期的なチェック体制はありませんでした。こうした仕組みを熟知し、元行員はすり抜けたと見られています。 再発防止策として、貸金庫の予備の鍵を支店で管理せず、2025年1月中に本部での一括保管にするとのことです。 Q.当初の割り印と同じものであったのか、恐らくチェックされていないですよね? (菅井氏) 「通常は銀行に届出印というのがある。それと照合してお客様の正しいハンコだと認識できるわけですが、この元行員は検査の実務を見ていますから、『これはチェックしてないな、照合してないな』ということが、情報として分かっている。甘々だということを認識して、盗みを行ったと思います」
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