日本が中国から学ぶべき国防における「習慣」
地政学・戦略学者の奥山真司が11月29日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。11月21日に打ち上げた軍事偵察衛星で「ホワイトハウスも撮影した」とする北朝鮮の発表について解説した。
北朝鮮、衛星でホワイトハウスなどを撮影と主張
北朝鮮は11月21日に打ち上げた軍事偵察衛星「万里鏡(マンリギョン)1号」でアメリカのホワイトハウスや国防総省を撮影したと発表した。ただ、衛星で撮影したとする写真自体はいずれも公開されていない。 飯田)他にも朝鮮半島、グアム、ハワイなど、米軍の主要施設を撮影したと主張しています。ただ、画像は公開していないということです。
この段階での撮影は不可能
奥山)おそらく公開していないのではなく、写っていないのだと思います。衛星は1回飛ばしてから準備がいろいろあるので、こんなに早く画像が公開されることはないと思います。宇宙技術的にも無理なので、おそらく言っているだけでしょう。 飯田)言っているだけ。 奥山)韓国側も「一般的には衛星の打ち上げから作動状態などの確認を経て、正常に撮影するには数ヵ月が必要」と分析しています。
抑止の核心にあるのは「脅し」
奥山)我々はミサイル発射を含め、北朝鮮を抑止できていないですよね。 飯田)これだけ自由にいろいろ撃たれていますものね。 奥山)私は毎月、戦略家のエドワード・ルトワック氏にインタビューさせていただいていますが、先日「ハッ」とさせられた部分がありました。我々は国防において「抑止」という言葉を何度も聞きますが、北朝鮮に関しては抑止できていません。では「抑止とは何だろうか」ということです。ルトワック氏は、「抑止の核心にあるのは脅しだ」と言っています。 飯田)脅し。 奥山)こちら側から「そんなことをするなよ」と脅して相手の動きを止め、「ミサイルなどを発射させない」というのが抑止です。国防文書などでは「中国や北朝鮮を抑止しなければいけない」と言われますが、抑止という言葉を使うのであれば、ルトワック氏の言い方を借りると、「我々はきちんと脅しているのだろうか」という話です。