畑違いからの参入で大ヒット!年160%伸びる女性向けアパレルSOÉJUはなぜ強いのか
ビジネス的な背景もあります。投資家さんから資金調達をしていたのですが、ビジネスを拡張させていくにはサービスだけでなく、モノもあったほうがいいのではないかという投資家さんの観点もありました。 --自然とそこに向かうべき流れがあったんですね。 エフェクチュエーションという思考法をご存じですか? スモールスタートでビジネスを起こすときの考え方です。先々までロジックを考えて計算して動くのではなく、今、この瞬間に与えられたリソースと選択肢の中で最適なものを選んで繋げていく。すると、何かしらは生まれるし、どこかには辿り着くという考え方です。
私はこの考え方がすごく好きですし、キャリアも、会社としても、振り返ってみればですが、この思考のような歩み方をしてきたのかなと。 大企業のようにリソースがたくさんある大企業が、ロジックで考えて最小限の投資で最大限の成果を目指す……みたいなこととは全然異なるやり方です。 カッコよく言葉でまとめると、そんな感じですが、実際はもっと必死で泥臭いです。目の前の課題をどうにか解決するために、さまざまなアイディアをつけたり、剥がしたり。最善だと思われる手を捻り出して、1つひとつ実験的に打ってみるその繰り返しで進んできたなと思いますし、今もそうです。
■商品の魅力とともに哲学を伝える広告戦略 --商品の価格設定も絶妙です。プチプラではないけれど、高級ブランドと同様の生地などを使用していて丁寧な縫製なのに、市場価格の6~7割の価格に抑えられています。これもSOÉJU人気が高まり続けている理由かなと。 価格は、お客様にはもちろん、サプライヤーさんや我が社にとっても三方に良いものにするためには工夫が必要です。 筋肉質なマーケティングと私は呼んでいるんですが、SOÉJUは店舗も代官山だけですし、広告もバンバン打つのではなく、必要な方に届くように絞り込んだコミュニケーションをとっています。