同じ学校に通っているのに、不公平じゃないですか?都外在住「年収700万円」47歳のサラリーマン、「東京都の高校実質無償化」に感じる不条理
都民の生徒と都外の生徒…3年で140万円強の教育費格差
高校では授業料以外の教育費負担が大きいものの、やはり授業料分でも無償になるのはありがたいこと。しかし、ニュースでいわれている高校無償化は自治体独自のもので、今後、居住地によって教育費格差はいっそう拡大しそうです。 国の高等学校等就学支援金では、世帯年収約590万円未満であれば年間39万6,000円を上限に、約910万円未満であれば11万8,800円を上限に助成します。東京都はこの制度に上乗せする形で助成を行ってきましたが、所得制限を撤廃し、都内私立高校の平均授業料分を上限に助成を行います。 対象となるのは「都内在住」。東京都によると、都内の私立高の生徒は約18万人。そのうち5万人強は都外在住です。首都圏のほか5県にも国の支援金に上乗せする形の独自補助があるものの、所得制限があるうえ、東京都同様、県内の私立高校に通う生徒であることが条件です。つまり都内の私立高校に通う生徒は外れてしまうのです。教育費負担の差は、実に3年間で142万円ほどになる計算です。 ――同じ学校に通っているのに、不公平じゃないですか? ――川を渡れば東京なのに……ちくしょう! (息子を私立高校に通わせる、都外在住・47歳の男性) 「東京都の高校授業料実質無償化」のニュースが流れると、そんな呟きが溢れました。子どもが同じ教室で学びながらも、教育費の負担に142万円もの差。 ――そんなお金があったら、子どもの大学受験に向けて、もっと塾に行かせてあげられるのに…… 今後、居住地による教育費負担の格差は、ますます拡大するだろうと専門家。あまりに不公平感がう大きくならぬよう、国による統一的な対応が求められています。 [参考資料] 厚生労働省『令和4年 賃金構造基本統計調査』 文部科学省『子供の学習費調査』 文部科学省『高校生等への修学支援』