実は“中華の達人” 野球部寮に「信州の名工」名店で44年 「目指すは甲子園」退職後は球児支える
特集は中華の料理人です。長野市内の店で、長く働いた男性が、技術を認められ、「信州の名工」に選ばれました。今も高校の野球部の寮で腕を振るい、食べ盛りの部員たちを支えています。 【動画で見る】実は“中華の達人” 野球部寮に「信州の名工」名店で44年 「目指すは甲子園」退職後は球児支える
こちらは揚げたサバの身に、野菜たっぷりの甘酢のあんをかけます。 手際よく作られていく料理。それもそのはず、久保田和徳さんは卓越した技能を持つ「信州の名工」に選ばれた中華の料理人です。
信州の名工に選ばれた・久保田和徳さん(67): 「もう60歳すぎてますから、全く値することはないと思ってたので、本当にありがたく思います」
でも、ここは中華料理店ではありません。 長野俊英高校野球部の学生寮「志成寮」です。
久保田さんは2021年から寮生と寮監を務める監督の朝食と夕食を作っています。 学生: 「最高です。おいしいです」 信州の名工・久保田和徳さん: 「生徒が帰ってきて『ただいま、きょう何?』と聞かれる時は、粗末なものは出せないなと。(生徒から)リクエストもあるときもありますから、うれしいですね」
信州の名工・久保田和徳さん: 「当時、中華料理は非常に珍しいもので、われわれは縁遠いような高級感があるイメージだったので、中華料理人になれば食べられるし、昔から料理が好きだったので」
基礎を学んで、腕を磨き、やがて支店を任せられるようになりました。 厨房に立つこと44年。最後は本店の副料理長となり定年退職を迎えました。 信州の名工・久保田和徳さん: 「自分にとっていい会社でお世話になって、定年までやることができました。本当に感謝しています」
■ハローワークから紹介「学生寮」
まだまだ元気に働けると思った久保田さん。ハローワークに通うようになり、紹介されたのが野球部の学生寮でした。 信州の名工・久保田和徳さん: 「体が動けば85歳でも90歳でも(厨房は)長年いたから、やっぱり気持ちは安らぎますね」