東大・安冨教授、れいわ新選組から参院選出馬(全文3)高度成長の本質は引っ越し
雨乞いのために何十兆円も使うのは狂気だ
その引っ越しが全部終わったのに、まだ高度成長を目指すとかっていうのは、やっぱり気が狂ってると思う。その気が狂ってる証拠に、東京タワーを建てて新幹線を走らせて東京オリンピックをやって大阪万博をやったから経済成長したので、スカイツリーを建ててリニヤモーターカー引いて、東京オリンピックやって、大阪万博やったらもう一遍経済成長すると思ってんじゃないかと思うんですけど、これは雨乞いです、こんなのは。私たちはその雨乞いのために何十兆円も使ってるんですね。狂気です、こんなのは。 だから1人1人の暮らしが立つっていうことはどういうことなのか、ということをもう一度、考え直さないといけないし、私たちの社会の立て付け、法律とかイデオロギーとか思考とか、価値観全ては、私たちが経済と呼んでいるもの、これはイギリスに始まったいわゆる資本制生産システムですけども、これに応じて全部が出来上がってるのでそれが続かないと死ぬと思ってるんですけど、それはただの勘違いです。私たちは勇気を持って自分たちの暮らしを立て、子供を守り育てるっていうものをどうやったら実現できるかっていうことを考えないといけないし、それを実現するためには助け合いが必要です。どうやってもできないです。お金では解決できないです、そんなことは。 だから人と人との関係を取り結ぶ手段を、これはなぜ人と人との関係を取り結べなくなっているかというと、私たちがそういう能力を失ったからなんですね。なぜなら、そういう能力を持っている人間は、その資本制生産システムにとったらもう不便なんですね。友達のことを考えて会社に来ないようなやつは駄目なんですね。 だから友達が1人もいなくて、お金が頼りの人間がいなければ、私たちのこの経済は持たないんです。なので、私たちは友達をつくる力を失い、助け合いをする力を失ってしまったので、暮らしは立たなくなり、お金を稼がなければ死んでしまうと思うようになったわけですが、それを改める以外に。私たちは貧困、繁栄の中の貧困という意味の分からない世界から抜け出す道はないと思っています。