東大・安冨教授、れいわ新選組から参院選出馬(全文3)高度成長の本質は引っ越し
日本という国を貧困から脱出させるため、政治はどうあるべきか
田中:フリーランスの田中龍作と申します。お2人にお伺いいたします。今、子供食堂を飛び越して大人食堂っていうのが、私、取材に行ってきたんですけどできてるんです。もうこれはこの先、子供食堂が増えることはあっても減ることはないわけです、親が貧しいんですからね。とにかく親も含めて、とにかく日本っていう国を貧困から脱出させるには、政治はどうあるべきか、ちょっと細かい政策でもいいですし、大きな哲学的なところでもいいですし、ちょっとお2人のビジョンをお聞かせください。 安冨:私はだから経済っていう考え方が間違っていると思っていて、それは暮らしっていう言葉にやっぱ変えないといけないと思うんですね。経済政策っていうのは結局GDPがいくらっていうことですけど、GDPなんて、経済成長なんて本当にばかばかしくて、日本に限らないんですけど高度成長の本質は引っ越しなんですね。お金を使わないで村とかに暮らしていて、自分でご飯を作ったりして自分で家を建てたりして暮らしていた人たちが東京に出てくれば、それまでは月に3万円とかもあればお金なんて要らなかったものが、東京に出てきたら何十万円ももらわないと生きていけなくなるわけです。 だから月に3万しか要らないし、使わない人が100万円、毎月50万円要るように、のところに引っ越しすればGDPは10倍以上に増えるんですね。全人口の大半がそうやってほとんど現金を使わないで生きている状態から、お金なしには死んでしまう状態に引っ越しすれば経済は倍々ゲームで増えていくわけです。これが経済成長の本質で、日本の引っ越しが済んだあとには中国の引っ越しが始まって、中国の引っ越しが30年続いたので、この経済は持っているんですね。でもまもなく中国の引っ越しは終わります。 そのときに、それがまた次インドの引っ越しが始まり、アフリカの引っ越しが始まりってあるかもしれないですけど、いずれにせよもう中国っていう巨大なプールが、引っ越しが終わってしまったらあとはおまけなわけですね。なので、私たちが経済だって思っているものはまもなく終焉するって考えるのが私は普通の考えだと思っていて。