《W杯最終予選》日本のグループCが「ラッキー」と言えるワケ
Cグループの日程
その点、日本が入ったグループCは移動が楽だ。中国までは短距離移動ですむし、インドネシアやオーストラリアは距離的には遠いが、南北移動なので時差が少ない。 抽選会ではドロワーとして先日引退会見を行ったばかりの元日本代表FW岡崎慎司が登場。自らの手で日本のグループ分けを決めたが、かつて数々の貴重なゴールで日本の勝利に貢献してきた岡崎は、どうやら今回の抽選でも日本のために良い仕事をしたようだ。 日程的に難しい試合になりそうなのは開幕2戦目、9月10日のバーレーンとのアウェー戦だ。 9月というと欧州各国のリーグが開幕した直後で、欧州で活躍する選手たちのコンディションが上がり切っていない。そんな状態で、選手たちはまず日本まで移動して9月5日に埼玉スタジアムで中国と戦い、直後にバーレーンまで移動しなければならないのだ。しかも、9月のバーレーンは気温40度以上の猛暑に見舞われる。ホームの中国戦を戦うメンバーと、バーレーンで起用するメンバーを分けて準備するなどの対策が必要かもしれない。 その後、10月10日にはサウジアラビアとのアウェー戦がある。最終予選前半にある中東でのアウェー2連戦を乗り切れれば予選突破が見えてくる。 「日本は楽なグループに入った」などと言うと、皆さんに怒られてしまうかもしれない。「W杯予選に楽な戦いなどない」といいうのは確かに“正論”だ。 もちろん、僕もそれぞれの試合が楽だとは思わない。 相手はランキング上位の日本に対してさまざまな対策を講じてくる。極端に守備を固めてくる国もあるかもしれないし、思い切ってロングボールを蹴り込んでくるかもしれない。そして、彼らは日本戦に向けて合宿を行って万全の準備をしてくる。 一方、日本の選手たちは各クラブで週末の試合を終えてから長距離移動を経て集合し、練習の時間もほとんどないまま木曜日の試合に臨まざるをえない。コンディションが良いわけがない。しかも、サッカーというのはきわめて番狂わせが起こりやすい競技なのだ(だからこそ、日本がW杯でドイツやスペインに勝つことができるのだ)。 だから、1つひとつの戦いが難しい試合になるのは間違いない。 だが、1つや2つ取りこぼしがあっても心配はご無用。対戦相手国同士も星のつぶし合いをするのだし、10試合のリーグ戦を行えば最終的には実力通りの順位に収斂(しゅうれん)していく。