散った阿部詩、場内は騒然 五輪柔道史に残る番狂わせ
信じられない展開に場内が騒然となった。柔道女子52キロ級の2回戦。絶対的な優勝候補だった阿部詩(パーク24)が、パリの畳で壮絶に散った。2連覇への夢ははかなく消え、五輪柔道史上に残る番狂わせが起きた。 【写真】絶叫して悔しがる阿部詩
技ありを奪って優位に試合を進めたが、残り約1分で一瞬の隙を突かれた。8強入りを逃したため、敗者復活戦にも回れなかった。 相手は過去2戦2勝ながら、第1シードのケルディヨロワ(ウズベキスタン)。阿部詩は昨年に予定していた国際大会にけがの影響で出場できず、ポイント不足で五輪ランキングのシード圏外に落ちた。これにより、序盤から厳しい組み合わせになった。「どこに入ってもいい」と意に介さなかったが、結果的に悪夢を招く一因となった。 五輪の柔道日本勢による予期せぬ敗戦は、女子48キロ級の田村亮子(現姓谷)が初出場の1992年バルセロナ五輪から2大会続けて決勝で敗戦。男子100キロ級の井上康生は2連覇を確実視された2004年アテネ五輪でメダルにも届かなかった。ただ今回の衝撃度は、これを上回るものがある。