「尹大統領、総選挙惨敗後に戒厳に数回言及…ひざをついて引き止めた」(1)
12.3非常戒厳事態を捜査中の検察特別捜査本部(特捜本)は、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が4月の総選挙の与党惨敗以降から戒厳宣言に言及し始め、それ以降も何度か同じ考えを示唆する発言をしたという陳述を確保した。 呂寅兄(ヨ・インヒョン)国軍防諜司令官は10日、特捜本の召喚調査で「非常戒厳の事前兆候を認知したのか」という質問に対し、「総選挙が終わって初夏に大統領と食事の席があったが、時局を心配する話をしながら激しくなり、戒厳の話を持ち出した」と述べたことが11日、把握された。特捜本は呂司令官のこうした陳述から、尹大統領が総選挙結果に対する不満と不正選挙に対する疑心などから戒厳宣言直後に中央選挙管理委員会の掌握を指示したのではないか追加の捜査を行っている。 ◆呂司令官「『最近の軍は過去のような軍でない』 ひざをついて引き止めた」 尹大統領が戒厳の意図を初めて明らかにした食事の席には、当時の金竜顕(キム・ヨンヒョン)警護処長と呂司令官がいた。尹大統領を含む夕食会の3人はともに沖岩(チュンアム)高校の先輩・後輩という関係だ。呂司令官は食事の席で大統領が戒厳の話を突然すると、「『大統領、そのような話をしてはいけない。最近の軍が過去のような軍ではない』と引き止めた」とも検察に話したという。 呂司令官は「総選挙後の食事の席で初めて戒厳の話が出てきた当時は『まさか戒厳をするだろうか』と考えていた」とし「当時は大統領が具体的な戒厳計画を持って話したのではないと見えたので、まさかと思って『そのようにしてはいけない』とだけ答えた」と伝えた。 しかし尹大統領はその後も何度か呂司令官に戒厳の必要性に言及したという。呂司令官は特捜本に「大統領は戒厳をますます真剣に考えるようだった。本当に政局を打開するためのソリューションとして考えるようだったので直言をし始めた。一度は大統領にひざをついて『それはいけない』と引き止めた」と述べた。