ふるさと納税激震!2024年がおトクに利用できる「最後のチャンス」と言える理由
2025年から、ふるさと納税に変更がある。すでにその余波で、24年から見直しが始まっている返礼品もある。利用者にとって、具体的にどのような影響があるのだろうか。今年の返礼品のトレンドや自治体の動きを見ながら予測してみよう。(消費経済ジャーナリスト 松崎のり子) ● 今年が最後のチャンスか? 「ふるさと納税」受難の予感 2024年は、「ふるさと納税」激震の年として記憶されそうだ。 まず、6月に総務省がふるさと納税の見直しを発表、特に「寄附に伴いポイント等の付与を行う者を通じた募集を禁止する」点が耳目を集めた。ふるさと納税ポータルサイトはこれまで寄付に応じて独自のポイントを付与してきたが、来年の25年10月1日以降はできなくなる。 この変更は、「ポイ活」民だけでなく、自治体にも少なからず影響を与えるだろう。ふるさと納税ポータルサイト「さとふる」の調査によると、アンケートに答えた全国の318自治体のうち、6%がポイント禁止措置について「対策を取る予定がある」、34.9%が「今後検討予定」と回答し、4割の自治体が10月に向けて対策を検討しているという。 具体的には、9月までの駆け込み需要に向けてということだが、10月以降にがくっと寄付数が減ってしまうことを危惧しているのだろう。ちなみに、この「ポイント付与禁止」については、15.4%の自治体が「賛成」、65.1%が「どちらでもない」、19.5%が「反対」と回答したとのことだ。自治体としても、本音はグレーというところではないか。 すでに今年の10月から見直しが始まった返礼品もある。宿泊券を返礼品とする場合は、同一県内で事業を展開する宿泊施設に限られることになった。運営会社が幅広く全国展開をしているところは返礼品から外れ、外資系ホテルなども当然扱えなくなった。 また、高額な宿泊料金も対象外となり、一人1泊で5万円以下とされた。この条件に反している返礼品は、ポータルサイト等での取り扱いが終了されているはずだ。ふるさと納税は高額所得者が得する制度との批判もある中、豪華すぎる返礼品は徐々に姿を消していくのかもしれない。 あくまで自治体への寄付であるふるさと納税だが、それは看板だけになって久しい。多くの利用者は返礼品から寄付先の自治体を逆検索しているのが実情だ。しかも近年は、自治体のためよりもわが家の生活防衛目的に利用されているのだから、なんとも皮肉な話だろう。