激戦の東京大会を制覇した東海大菅生 大黒柱は長身右腕 センバツ出場校紹介
昨年の秋季東京都大会で優勝した東海大菅生(東京)は、2年ぶり5回目の出場となる。 東京大会は接戦を勝ち上がり、決勝は強打の二松学舎大付に打ち勝った。上田監督が「ここ一番で力が発揮でき、簡単には負けない粘り強さがある」と評し、主将の渡部も「束になると強く、いい雰囲気を作ることができる」と自負するチーム力の高さが光った。
190センチの右腕がけん引
東京大会ではエースの日當(ひなた)直喜(2年)を中心に接戦を制して勝ち上がり、2年ぶりに頂点をつかんだ。 接戦の連続だった。国士舘との準々決勝は両者とも譲らず同点のまま延長に突入し、12回に大舛凌央(りお)(同)の決勝適時打で勝利をつかんだ。準決勝は昨夏の西東京大会決勝で敗れた日大三と対戦し、息詰まる投手戦を1点差で制した。二松学舎大付との決勝は投打がかみ合い、8―2で快勝した。
チームを引っ張ったのは身長190センチの右腕・日當。140キロ台の直球にフォークなど変化球の精度も高く、公式戦7試合で防御率0.78と安定している。特筆すべきは3回戦から決勝までの4試合を完投したスタミナだ。国士舘との準々決勝は延長12回のマウンドを守り抜き、2日連続の登板となった準決勝、決勝は計270球を一人で投げ抜いた。「自分の投球でチームに勝利をもたらすのがエースの役目。チームを勝たせる使命がある」と責任感も強い。
「食トレ」でパワーアップ
打線も勝負強い打者がそろう。昨秋のチーム成績は、9試合で打率3割3分5厘、94安打、59得点。高橋玄樹(同)、北島蒼大(そうた)(同)、門間丈(同)、酒井駿輔(同)は打率が4割以上で、新井瑛喜(ひでき)(同)も決勝で2点本塁打を放つ活躍を見せた。冬場は課題の長打力を上げるために体力をつけようと昼、夜ともに白飯1キロを平らげる「食トレ」を敢行。甲子園でパワーアップした打力を見せられるかもポイントになる。
前監督が不祥事によって1月に解任となり、コーチだった上田監督が指揮を執る。センバツの采配を急きょ託された上田監督は「うちが求めている野球は変わらない。1試合ずつ全力で戦っていくしかない」と話している。