7-9月決算で中国リスク再燃、トイレメーカーも流せず-日本株重荷
化粧品メーカーの資生堂など高価格帯商品で勝負してきた日本企業は、より安い製品を提供する中国企業の価格攻勢にもさらされ始めた。電炉大手の東京製鉄が25日に25年3月期の営業利益見通しを25%減額したのは、中国の鋼材輸出が国際市況に与える影響に加え、国内建築案件の工期の遅れなどが鋼材需要の伸び悩みにつながるリスクを踏まえたものだ。
住友生命保険の村田正行バランスファンド運用部長は、中国の輸出で鉄鋼市況が下がっているとの認識を示した上で、「結局先進国の中で中国の輸出ドライブの影響を一番受けやすいのが日本と韓国だ」と述べた。
中国が9月以降に景気対策に本腰を入れ始めたほか、それ以前に打ち出された買い替えへの補助金政策の効果などが今後日本の自動車や家電メーカーなどにも徐々に出てくる可能性はある。しかし、どの程度メリットが及ぶかどうかは不透明だ。
みずほ証券の王申申シニアストラテジストは、これまでの対策の効果は中国企業にもまだ明確には出ておらず、「日本企業が受ける恩恵は以前より少ないのではないか」と予想する。
王氏は自動車セクターについて、中国の電気自動車(EV)に押され、日本車の販売はさえない状況が続いていると分析。また、年間で最大の電子商取引(EC)イベントである「独身の日」を来月11日に控え、全体の売れ行きは比較的好調だが、家電を含め日本の商品で売れているとの話はあまり聞こえてこないと指摘した。
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Hideyuki Sano