【解説】プーチン大統領…訪中は“絶好のチャンス” 国際会議で「存在感」アピール? “したたかな中国”思惑は…
中国が掲げる巨大経済圏構想「一帯一路」に関する国際会議に出席するため、プーチン大統領が中国を訪問し、18日には習近平主席と会談します。接近する中国とロシア、双方の思惑について解説します。
■“頼みの綱”が中国 ウクライナ侵攻への理解求め…
有働由美子キャスター 「プーチン大統領が、習主席のことを『世界的に認められたリーダーの1人』と、たいへんな持ち上げようですが、その思惑は何でしょうか」 小栗泉・日本テレビ解説委員長 「ある日本の外務省幹部は『あのプーチン大統領がわざわざ今、習主席のもとを訪れるなんて、ウクライナ侵攻でここまで窮地に陥ったか』と語っています。ただ、そのプーチン大統領自身は、今回の中国訪問を“窮地から表舞台に戻る絶好のチャンス”と捉えていそうなんです」 「というのも実はプーチン大統領、以前から『国際会議に出席することで存在感を示したかったのではないか』とロシア政治に詳しい慶応義塾大学の廣瀬陽子教授は指摘しています。ただ、G20首脳会議は欧米諸国からウクライナ侵攻を“非難される場”になることをおそれ欠席。別の国際会議でも、国際刑事裁判所(=ICC)から逮捕状が出ていることなどから開催国側から『来ないように』と言われてしまった」 「そこでプーチン大統領が頼みの綱としたのが、中国だったんです。ロシア側は中国からの正式な招待がない時期から『出席します!』と声をあげていて、まさに『準備万全』の訪問で、ウクライナ侵攻の理解を得たい考えです」
■中国…「一帯一路」にロシアの協力は欠かせず
有働キャスター 「頼られた中国側は、どう対応しようとしているんですか?」 小栗解説委員 「中国としても、プーチン大統領の国際舞台への復帰をお膳立てする構えで、18日の会議で習主席に続いて、プーチン大統領に約140か国を前に、基調講演をする場を用意しています(※中国政府発表)」 有働キャスター 「ただ、ここまでのお膳立てをして、中国側のメリットは何になるんですか」 小栗解説委員 「中国というのは『グレーなものでも使えるものは使う』というしたたかさがあるというんです。中国が掲げる巨大経済圏構想『一帯一路』に、ユーラシア大陸で大きな面積を占めるロシアの協力は欠かせないので、むげにはできません。一方で中国は、ロシアの考えは理解しつつも『ウクライナ侵攻について表だった協力は表明しないだろう』と廣瀬教授は分析しています」