石破内閣は思ったよりもしぶといかもしれない
10月27日 衆議院選挙・岩手参院補欠選挙 11月5日 アメリカ大統領選挙 11月上旬 特別国会召集 11月11~29日 COP29(アゼルバイジャン) 11月17~18日 APEC首脳会議(ペルー) 11月18~19日 G20首脳会議(ブラジル) 3年前は菅内閣から岸田内閣への切り替えであり、それは非常にうまく行った。菅さんは東京五輪を完遂し、新型コロナに対するワクチン接種を強力に推し進めるなど、いろいろ業績を残してくれた。しかし最後は不人気にあえぎ、政治資本を使い果たしたような形になって退陣となった。そこで自民党は総裁選を行って、岸田文雄氏への「看板の付け替え」で対応したのである。
それでは同じ手口は今年も通用するのか? 世論調査を見ると、どう見ても3年前に比べると自民党は分が悪そうだ。それはそうだろう。「政治とカネ」問題で国民は怒っていて、石破さんは土壇場で「裏金議員は非公認」という指示を出したが、それで落選する議員は少なからず出るだろう。自民党内には「石破支持派」と「高市支持派」との間の亀裂も入っていて、結果的に「比例票」が減ってしまう懸念も残る。 もうひとつ気になっているのは、3年前との経済情勢の違いである。皆さん、すっかり忘れているかもしれないが、3年前にはまだインフレがなかった。2021年秋はまだ「コロナ下」であったし、CPI(消費者物価指数)はずっとゼロ近傍で推移していた。
わが国における物価上昇は、2022年2月、ウクライナ戦争勃発による石油価格上昇が契機であった。CPI総合指数はピークの2023年1月には前年同月比4.3%まで上昇し、昨年11月からようやく2%台に低下したが、今年に入ってからは円安効果もあり、なかなか低下しない。せっかく賃上げがあっても、これでは有権者の不満が溜まりやすいとみておくべきであろう。 ■衆院選は「最悪与党2割減」でもなんとかなる? それでは今度の選挙で石破内閣は大敗するのだろうか。改めて計算してみると、衆議院の定数465議席のうち、自民党は前回258議席を有していた。仮に1割の25議席を減らしても、233とまだ過半数はキープできている。公明党の32議席を足した連立与党の議員数で行くと、合計290議席から2割減らしても、まだそれに近い線で踏み止まれる。実はかなりの「負け代(しろ)」があって、今の勝敗ラインはかなり甘めなのである。