クローン病の重光さん、ミスコン世界大会へ出場
愛知県の豊川高校出身
愛知県の豊川高校卒業生の重光・ルマ・ナオミさん(21)は、10月3日から3週間、タイやカンボジアで開かれる国際コンテスト「ミス・グランド・インターナショナル2024」に日本代表として出場する。16歳で難病のクローン病を発症し、「同じ病に苦しむ人に勇気を与える存在に」と大会に臨む。【北川壱暉】 書類審査や面接を経て、7月下旬に東京で開催された日本予選「ミス・グランド・ジャパン」に出場。水着やドレス、ウオーキング、スピーチなどの審査で、約1200人の応募者から重光さんが世界大会出場を決めた。 ブラジル・サンパウロ市生まれ。英語やポルトガル語を話す。生後数カ月で豊川市に移り住んだ。小学校時代は、ブラジルにルーツがあることに引け目を感じていたが、母の勧めで始めたベリーダンスやモデル活動、市国際交流協会主催のスピーチコンテスト優勝の経験で徐々に変わっていった。「先生から褒められたり、優勝という形で評価されたりして、自信が持てるようになった」と振り返る。 だが、16歳で国指定難病のクローン病にかかる。最初は軽い腹痛だったが、食後はすぐにトイレに駆け込むほどひどくなり入院。大腸に炎症が見つかり、診断された。「治らないと聞いて号泣した。『何で私なのだろう』と一日中ふさぎ込むこともあった」という。それでも頑張れたのは母の存在があったからこそ。「一緒に買い物や食事に行ったり、つらい時に話を聞いてくれたりして心の支えになった」と感謝する。 22年に知人の勧めでブラジル人コミュニティーのミスコンテストで準優勝。「舞台に立つと自分を表現したくてたまらなくなる」と重光さん。「世界で活躍できるモデルになりたい」という想いを持つようになった。 大会期間中は自分と徹底的に向き合った。外見だけでなく、目標や出場目的などが評価されるのが特徴で「泣くほど自分と向き合った」と話す。目標が決まらずにいたが、先生から「クローン病もプラスになるんじゃない」と投げかけられ気づいた。「優勝することは通過点。豊川市や病気のことを多くの人に知ってもらい、勇気を与えたい」と意気込んだ。
東愛知新聞社