“僕青”舞台初出演に早崎すずき「ついに来ちゃった」八木仁愛は「今後の活動に生きる」と意気込み
アイドルグループ・僕が見たかった青空(僕青)が、舞台初挑戦となる「夏霞~NATSUGASUMI~」を7月11日(木)から21日(日)まで東京・シアター1010で上演する。 【写真】取材中も仲の良さを見せていた八木仁愛&早崎すずきなど全14点 ■結成1周年…23人全員で舞台に初挑戦 2023年6月に「乃木坂46公式ライバル」として、オーディション応募総数3万5678人の中から選ばれた総勢23人の“僕青”。デビューシングル「青空について考える」は「第65回 輝く!日本レコード大賞」で新人賞を受賞し、6月22日には東京・Zepp DiverCity(TOKYO)で結成1周年を記念したワンマンライブを開催した。今後も舞台をはじめ、2年連続となる「TOKYO IDOL FESTIVAL 2024」(8月2~4日、お台場・青海周辺エリア)出演、8月7日(水)に3rdシングル「スペアのない恋」のリリース、8月30日(金)にワンマンライブ「アオゾラサマーフェスティバル2024」(東京・豊洲PIT)開催、さらに10月25日(金)公開のアニメ映画「がんばっていきまっしょい」で主題歌と挿入歌を担当するなど、さらなる飛躍が期待されている。 「夏霞~NATSUGASUMI~」は、夏休み前の高校が舞台。忘れられない夏の出来事を、ういういしく、はつらつと、そして切なく描く物語で、僕青の今を体現したような物語。メンバーは自身と同じ名前の役を演じる。一部シーンは、公演によってAパターン、Bパターン、Cパターンと異なった内容で上演されている他、本編後のライブパートの楽曲も公演によって異なる。 物語の中心となるとあ役の八木仁愛、すずき役の早崎すずきにインタビューを実施。初挑戦となる演技への意気込みや本作の魅力、1周年を迎えたグループについても語ってもらった。 ■早崎すずき「一番避けていた部分」 ――まずは舞台出演のお話を聞いた時の心境から教えてください。 八木:まさか2年目で舞台ができると思っていなかったですし、しかも全員でということで、すごく驚きが大きかったです。でも、普段のダンスや歌の表情、ミュージックビデオとかで、演技力や表現力、そういうものが必要になってくる瞬間もあるなっていうのは感じていたので、(舞台に出演することが)今後の活動に生きるんだろうなっていうのはすごく思いました。 早崎:私は聞いた時、本当に「うわ~」って感じで、「ついに来ちゃった」って思って。ミュージックビデオの撮影とかでもお芝居や演技力って必要なんですけど、一番私が避けていた部分だったので、「いやぁ、どうしようどうしよう」「どうしよっかな…」って不安でいっぱいです。 ――「きっといつかは」という気持ちはあったんですよね? 早崎:そうですね。でも、このお仕事をしているといろんな事に挑戦させていただけるので、そこはすごく成長できる部分だなっていつも思って頑張っています。 ――八木さんはデビュー直後のインタビューで「演技のお仕事には興味があります。お芝居を通して、また違った自分を見つけられそうな気がします」とコメントされていました。元々演技への憧れはあったんですね。 八木:そうですね。元々ダンスとか歌とか、そういうパフォーマンスで表現するのが好きで。なので、また自分の幅を広げられるものがお芝居とかにあるんじゃないかなと思っていたので、やってみたいなとは思っていたんですけど、まさかこんなの早く機会が訪れるとは思ってなくて。思ったよりも演技が難しくて、ずっと苦戦しています。 ――舞台は、演技の中でもカメラの前で演じるものとは違うと思いますが、どんな印象を持っていますか? 早崎:イメージで言うと、殻は絶対に破らなきゃいけないものなんだなっていうイメージです。恥ずかしがっていちゃいけないというか、大げさぐらいにやらないと伝わらないんだろうなっていうのは前々から感じていて。だから、舞台役者さんとか台本のせりふも全部覚えて、止まらずに全部を通して演じなきゃいけないっていうのが大変そうだし、すごいなって思います。 ■ワンマンライブと同時進行で稽古 ――稽古が始まった頃は、結成1周年記念の「僕の観たかったワンマンライブvol.1」(6月22日)のレッスンも同時進行であったそうですね。 八木:1、2週間くらいは両方の稽古をしていました。 ――つい先日ライブが終わって(取材時)、今は舞台に全集中だと思います。昨日はまだ台本を手に稽古されていましたが、やってみていかがでしょうか? 早崎:やっぱり台本があると落ち着くっていう現状があるので、早く手放さなきゃいけないとは分かっていても、やっぱり(台本がなくなると)何か安心するものがなくて、みんな不安は取れてないのかなって思います。 八木:覚えたと思っていても「忘れてしまったらどうしよう!」って思ってしまうところもあって。今はまだ、本番がちょっと不安だなと思っています。 ■八木仁愛「(せりふを)ちゃんと覚えきれるかな…」 ――お二人は特にせりふの多い役なので大変ですね。 八木:そうですね、ちゃんと覚えきれるかなっていう…。 早崎:せりふでも“きっかけを話す子”と“それに答える子”っていうのがいるんですけど、とあちゃんの場合は“きっかけを話す”方が多いので、たぶん覚えにくいと思います。 ――“答える”人は、“きっかけ”のせりふを受けてから話すということですね。 早崎:そうです。私は“きっかけ”を受けての方が多いので、どちらかというと覚えやすいなっていう印象ではあったんですけど、とあちゃんの方は大変かなって。 八木:そうですね。すずきに話し掛けるシーンでも、割と「あ、すずき今日なんとかだね」みたいなきっかけを作ってから会話が始まることが多いので、そこを忘れちゃったらどうしようかなって思っています。(私が忘れたら)相手も困っちゃうし、(お互いに)ずっとどうしようってなっちゃうから、でも頑張ります(笑)。 ――せりふは全部覚えられそうですか? 八木:ここからずっと舞台漬けの毎日なので、毎日毎日繰り返しやっていたら覚えられるんじゃないかなって。 早崎:覚えないで出ていくのは怖いので、もう完璧に仕上げて本番に挑みます! ――メンバーと一緒にステージに立つという部分で、普段のダンスとの違いなどはありますか? 八木:ダンスは“もう絶対にここ”って(立ち位置が)決まっているんですけど、舞台は流れが決まっているだけで、“絶対にここ”とかではないので、自分で把握して動かないといけないところが難しいなって私は思います。 早崎:ダンスは振り付けの先生の「あなたはここです」っていう決められた立ち位置が今回の舞台はなく、自分で考えてここで動いてみたりとか、同じ動きをするのではなく、この子がこう言ったなら私はこう動いてっていうのを考えなきゃいけないのは難しいです。 ――舞台は全く同じ公演はないって言いますからね。何回か見に行って、メンバーの皆さんの成長を確認するというのも楽しいかもしれません。 八木:そうですね。いろんな私たちを見ていただきたいです。 ■早崎すずき、初めて台本を読んで「泣きそうになりました」 ――台本を読んだ時の感想を聞かせてください。 八木:題材が高校2年生の夏休みだったので、私もちょうど高校2年生で、ちょうど夏の時期に入ってくるので、私と同じだなと思って、ちょっと親近感が湧いたりしました。でも、(役名が)自分の名前なんですけど、内容は自分が生きている世界とは全然違うので、どう演じていったらいいんだろうって、考えてしまいました。でも、読んでいてすごく楽しかったです。 早崎:私は初めて台本を見たとき、おうちで読んでいたんですけど、泣きそうになりました。私は死んでしまう役なので、私がいないところでのシーンは、自分じゃないんですけど自分の名前で書いてあるからこそ、これは本番で泣いてしまうんじゃないかっていうぐらい感動的だなって思いました。 ――最初から感情移入ができたんですね。 早崎:はい。みんな(役名が)メンバーの名前なので、余計そうでした。 ――それぞれ演じるのはどんな女の子なのか教えてください。 八木:私の演じるとあは、すずきと私で昔からの夢を追いかけているんです。一緒にコンクールに出て、大勢の人の前で歌うっていうのが私たち二人の夢で。その夢に懸ける思いの真っすぐさが出ているけど、それでもすずきがいなくなっちゃうので、ネガティブになって全部『なんでもいいんだ』みたいな、ちょっと諦めそうになるところも人間味があるというか、そういう子です。 早崎:私の演じる女の子は、キャラクターで言うと私のままなんですけど、考え方とかで言うとちょっと違って、本当に自分よりも友達思いの子なんだなっていう印象です。自分が死んでしまってるのに、ずっととあのことを考えてあげている女の子だなって印象です。 ――そんな中で、特に見てもらいたいシーンはありますか? 八木:私はあおい(安納蒼衣)ちゃんとの掛け合いのシーンがあるんですけど、そこは見どころというか。私があおいちゃんに「合唱部に入ってくれない?」って誘いに行くシーンなんですけど、ちょっとそこの二人の動きが大きいというか、重要なシーンではあるんですけど、会話のテンポ感が面白いなって思うので、演じていて楽しいです。 早崎:私はずっととあのことを思って、うそをついているんです。「それは、とあのことを思って言わなかった」っていうシーンがあるんですけど、私もあおいちゃんとの掛け合いがあって、みんながみんな、少しでも前へ進まなきゃって分かっていてもそこから進みたくないっていう、その葛藤がそれぞれの役にあるなっていうところに注目していただきたいなって思います。 ■メンバーが特技を披露する場面も ――物語の途中で少し違う展開になる場面があるそうですね。 早崎:パターンがちょっとだけ違うところがあって、A・B・Cって公演が3パターンあるんですけど、その中の回想のシーンが変わるんです。みんなの特技を披露するところがあったり。 ストーリーは全体的にちょっとシリアスな感じなんですけど、やっぱり面白い部分も取り入れていきたいっていうところで、そこが割と面白いシーンになっていきます。A・B・Cで出演するメンバーも変わるので、そのシーンも公演ごとに違うものが見られます。 ――じゃあ、ファンの人もA・B・C、どの公演を見に行くかっていうのは大事ですね。 八木:そうですね。推しが出てくる公演もあるし。 早崎:初披露の特技とかもたくさんあると思うので。 八木:確かに! 「こんなこともできるんだ」みたいな子もいると思うので。 ■八木&早崎が今年の夏にやりたいこと ――本作が夏の物語ということで、お二人が今年の夏にやりたいこと、挑戦したいことあれば教えてください。 八木:休みがあれば、ちょっと遠くに旅行とかしたいですね。大阪のUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)に行ったことがないので、ずっと行ってみたいなって思っています。 早崎:私はプライベートで浴衣を着たいなと思っています。新型コロナウイルスの影響で、高校生のときにお祭りが全然なかったんです。本当は「浴衣を着て、お祭りに行こうね」とか話していたんですけどできなかったので、浴衣を着てお祭りに行きたいなって思います。あとは流しそうめんをやってみたいです(笑)。 ■八木仁愛、“僕青”の1年目は「0から1を作る1年だった」 ――グループ結成1周年を迎えました。振り返ってみていかがでしょうか? 八木:私は0から1を作る1年だったなっていうふうに思っています。何もない状態から23人でスタートしたので、本当に正解も分からないし、自分たちで作っていかなきゃいけないっていうので、楽しいことばかりじゃなくて、悔しいこととか苦しいこともありました。 でも、23人でこうやって1周年を誰も欠けずに迎えることができたのは奇跡だなって思うし、その集大成がこの前の1周年ライブでした。1年前にメンバー発表会があったあの場所で私たち23人と、そしてこの1年で好きになってくださったファンの皆さんと1周年を迎えられて、すてきなたくさんの青いペンライトに囲まれてできたのは、この1年頑張って良かったなって思える瞬間で、この1年の成果と言えるかなって思いました。 早崎:この1年は、私にとってずっと憧れていたアイドル活動ができて毎日が大変だったけど充実してました。1周年記念ライブでみんなの言葉を聞いて「やっぱり苦しかった」「苦しかった1年」って言う子もいたので、目の前のことに必死でもがいている1年だったんだなぁと実感しました。 それでもみんなで一緒に頑張って1年を乗り越えてきたからこそ、やっぱり2年目は楽しみたいなって思うし、これからも本当に楽しみな予定がたくさん詰まっているので、私たちをいつも応援してくださるファンの皆さんと一緒に、楽しい思い出をどんどん作っていけたらなって思います。 ――八木さんも2年目への意気込みをお願いします。 八木:私も目の前のことでいっぱいいっぱいで、すごくアイドルになりたくてアイドルになれたのに、やりたかったことをやっているのに楽しみきれてない自分もいたので、2年目はすずが言ったように、ファンの皆さんとメンバー23人で楽しみたいなっていう思いもありつつ、僕青でしかできない何かを、何かの強みを探りながら頑張る2年目にしたいなと思っています。 ※早崎すずきの崎は正しくは「立つさき」