【パリ五輪】パリでメダルを狙う地元フランス、ルブラン兄弟の「強さの秘密」
あまりに個性的、あまりに駆け上がるのが早すぎる兄弟。常識にとらわれないルブラン兄弟がパリ卓球会場を熱狂させるかもしれない
パリ五輪がスタートした。 卓球競技で注目されるのは地元フランスだ。女子の躍進もめざましいが、やはり最大の関心事は男子のルブラン兄弟の試合だろう。20歳の兄アレクシス(世界ランキング16位)は3種目に出場し、17歳の弟フェリックス(世界ランキング5位)はシングルスでもメダル候補だ。 パリ五輪で台風の目になるかもしれない、このユニークな兄弟の「強さの秘密」を、フランス卓球協会、そして「チーム・ルブラン」のコンサルタント(相談役)としてアドバイスを送るミッシェル・ブロンデル氏(元フランス代表監督)に聞いてみた。 ◆ ●ー.あなたは元フランス代表監督で、長く卓球界にいますが、現在はどのようにフランス卓球協会、「チーム・ルブラン」に関わっているのでしょうか? ミッシェル・ブロンデル(以下MB)▶フランス卓球協会のジョン・ニコラが強化本部長で、その下に男子監督のナタナイル・モランがいて、女子はルドビッチ・レミーが監督です。私とジャンロネ・モウニー(ウーゴ・カルデラのコーチ)は2021年からコンサルタントとして、強化本部長やナタナイル監督(ヘッドコーチ)と話をして、戦略をともに練っています。 ルブランはパリの次のオリンピック(2028年)を考えてサポートすべきだと考えていたんです。パリ五輪でまずどの国内選手が代表として上がってくるのか、まだわからなかった。 ●―率直に言えば、当時はフランス卓球協会もフランスオリンピック委員会もあまりメダルの期待はしてなかったでしょうね? MB▶全くその通り。特に卓球を知らない人たちにとって、オリンピックでの卓球のメダル獲得がどれだけ大変かは理解できなかった。うまくできれば、これ(有望選手の戦略的な育成)は他のスポーツにとってもロールモデルになると言っていた。 フランスには日本や韓国のようにトップレベルに行く若い選手がたくさんいるわけではない。だからまずはその選手が他の選手と違った個性や技術を持っているとしたら、その個性は大切にします。フェリックスがまさにそういう選手だ。 小さい頃から「フェリックスのペンホルダースタイルでは将来難しいよ」と何度も言われてきた。中国選手のコピーのようだと。でもはっきり言うけど、中国選手がフェリックスに影響を与えたことはない。彼がペンホルダーを選んだのはモンペリエにいた中国選手を見たからだけど、その選手にコーチは受けていない。 ●―パリ五輪では地元だけに彼らは重圧にかかって、そのリスキーでユニークな部分は発揮できるでしょうか? MB▶心配ないよ。彼らはプレッシャーを感じない。なぜならそのコートに立つことが喜びなんです。オリンピックが終わっても、次の日には新たな一日が始まる。パリのオリンピックが彼らの最終地点じゃないんだ。まだ若い。フェリックスにはこう言いました。「今、君がオリンピックを語る必要はないよ。頭の中で考えていればいい」。彼はただ目の前の相手を考えていればいい。 *インタビュー全文は卓球王国PLUSで紹介