91歳の料理研究家・小林まさるさんのモットーは「年だから…なんて思わずどんどんチャレンジ!」疲れた時につくるのが『豚バラ肉の黒こしょう焼き』【義父・義娘の最強コンビ!小林まさみ・まさるの「ハッピーごはん」⑤】
70歳にして持ち前のチャレンジ精神で出会った天職
料理が大好きで、「料理は人を幸せにする」と語るまさるさん。「家庭料理の楽しさを伝える」という料理研究家の仕事は、まさに天職といえるだろう。 でも、まさるさんがそんな天職に出会ったのは、70歳を過ぎてからのこと。同居する息子の妻、小林まさみさんの調理アシスタントを務めるようになったことがきっかけだ。「70歳にもなる男が息子の妻のアシスタントをするなんて恥ずかしい」ということを少しでも考えていたら、今のような、ワクワクするシニア料理家としての人生はなかった。 「60歳からの人生は意外と長いよ。ワクワクするもの、やってみたいことがあったら、どんどんチャレンジするべきだと思う。『もう年だからできない』とか『いい年をして恥ずかしい』と言って、諦めてしまうなんてもったいないよ」(まさるさん) その言葉通り、好奇心が旺盛なまさるさんは「面白そうだな」と思ったものにはどんどん挑戦してきたという。例えば彫刻。
「歴史が好きだから仏像を彫ってみたいなと思って、知り合いに木材を分けてもらって彫ってみたらこれが意外と上出来でね。それから楽しくなって、ワシとかヘビとか彫ったよ。譲ってほしいという友達にプレゼントしたら、すごく喜ばれたのでうれしかったね。 やってみて、これは合わないなとかちょっと違うなと思ったら、さっと切り替えて、次に興味のあるものに移ればいいと思う。俺は絵はやってみたけど、向いていないなと思って彫刻に変えたんだ。高齢者は切り替えを早くしたほうがいいね。『なんか違うな』と思いながら、無理に続けていられるほど時間は残っていないからね」(まさるさん)
夢は「男のシニア料理教室」
常に「やりたいこと」「ワクワクすること」にチャレンジしてきたというまさるさん、今後の夢をたずねると「シニア男性向けの料理教室」だと言う。 「若い人たちの間では『男子厨房に入らず』なんて言葉はもうとっくに消滅していると思うけど、高齢男性の中にはまだそんなふうに思っている人もいるかもしれないね。料理は楽しいよ。料理をすることでいいことがいっぱいあると思う。例えば、頭も体も使うから認知症・老化予防にもなる。誰かを喜ばせることもできる。そして何よりもまず、自分自身が生きていくために必要なことだということ。食べることは生きることだよ」(まさるさん) まさるさんが思い描く「シニア男性向けの料理教室」とは、酒のつまみのような簡単にできるもの5品くらいをみんなで作って、出来上がったらそれをつまみにして一杯飲むといったスタイル。 「定年になると、趣味がなくて、どこに出かけたらいいかもわからないっていう男性が多いらしいから。そういう人が集まっていろんな話をする場ができるだけでも楽しいと思うし、そこで、料理の面白さに目覚めてくれたら、家に帰ってもどんどん作ったらいいと思う。そしたら家族にも喜ばれていいことだらけだよ」(まさるさん) このように「夢」を生き生きと語るまさるさん。今回教えていただくレシピは、そんなパワフルな毎日を送るまさるさんでも、「さすがに今日は疲れてちょっと元気がない」という日に作るという「お守りごはん」だ。
【関連記事】
- 食べて更年期不調を撃退。サバ缶を使った『タイ風サバカレー』のレシピも【義父・義娘の最強コンビ!小林まさみ・まさるの「ハッピーごはん」④】
- 料理家・小林まさるさん、91歳。認知症予防のカギは「歩く」「ながら脳トレ」そして「嚙む」。『みそきんぴら』レシピを紹介【義父・義娘の最強コンビ!小林まさみ・まさるの「ハッピーごはん」③】
- 91歳の料理家、小林まさるさん「料理は最高の“頭の体操”だよ!」冷蔵庫の食材で一品『納豆、塩鮭、玉ねぎのあえ物』レシピも【義父・義娘の最強コンビ!小林まさみ・まさるの「ハッピーごはん」①】
- 【89歳の美容家・小林照子さん】コンプレックスは幼少期に受けた何気ない言葉から生まれる
- 【フライパンひとつでOK!】抗酸化パワーおかずに! ブロッコリーとトマト、豚バラのフライパンカレー