プロ直伝「遺品整理は絶対にここから始めて!」…知らないと訴えられる思いも寄らない注意点
両親が亡くなったとき、実家をどうするか考えているだろうか。実家に戻って暮らすのか、それとも実家を処分するのか。いずれにしても遺品整理が必要だが、そこには想像以上の困難が待ち受けている。いわゆる「親家片(おやかた)」本には、「こうして片づけた」「こうすれば片づけられる」などと成功例が書かれているが、現実はそんな生やさしいものではない。 【漫画】刑務官が明かす…死刑囚が執行時に「アイマスク」を着用する衝撃の理由 『遺品は語る』(赤澤健一著)から抜粋して、注意するべきポイントをお届けする。 『遺品は語る』連載第22回 『親世代が「縁起でもない」と怒る「片づけ」を絶対に今からでもするべき「5つの理由」…実は一番得するのは親世代』より続く
プロが教える「ここが違う!」
最近では、遺品整理をプロに頼まずに自分たちでやろうとする人も多いが、再三指摘したように、始めたものの途中で挫折してしまうことが少なくないのが現実だ。途中からお手伝いすると、なぜ挫折してしまったのかがよくわかる。初めからムリがあったと思われるのに、経験がないため「自分たちでできる」と考えてしまったようなケースが多いのだ。 われわれプロから見ると、「そもそも、ここが違う」というポイントがたくさんある。僭越ながら、「どこが間違っているか」を指摘させていただこう。 遺産相続については次章で説明するが、相続手続きの際には遺言書の有無が大きく影響する。そこで、生前整理の場合は別にして、両親のいずれか、もしくは両親とも亡くされた場合の遺品整理では、まず第一に遺言書の有無を確認しなければならない。 遺言書があれば、その内容が遺品を整理する際の方針をも左右することがある。たとえば、故人が遺産として実家を子どもの誰かが受け取ることを指定していれば、それを前提条件として今後の暮らし方を考える必要がある。
遺言書は実家の「あれ」からよく見つかる
ところが現実には、遺言書の有無について確認しようにも、その前に家の中を整理しなければ見つけようがない状態であることも多い。親と別居していた場合は、家の中の事情もわからない。そのため、「まず遺言書を」ということにならないことが多いのだ。 しかし、可能な限り「まず遺言書を」ということを念頭に、実家の中を総点検してみるべきだ。このとき一緒に、通帳・印鑑・有価証券・不動産の権利証や契約書類も優先して探したい。これらも、遺産相続と片づけの方針に影響があることが少なくないからだ。こうした重要書類は、家の中の金庫などにまとめて保管してあることも多い。 生前、故人の相談に乗っていた弁護士などの専門家がいる場合は、まずはそうした人々に遺言書の有無を確認してみる。発見したら家庭裁判所に持参し、内容確認の手続きである「検認」の申し立てが必要となる。 このほか、実家が賃貸物件の場合、その賃貸契約書類の内容は重要だ。遺品整理の時期が遅くなれば家賃が発生するので、整理の計画にも影響する。 また、賃貸物件では家具・備品がどういう契約なのかによって、作業の内容も変わる。間違いが多いのは、エアコンや照明器具など。オーナーの所有物であるエアコンや照明器具などを撤去してしまい、あとから賠償請求されるなどトラブルになるケースも多い。 『【プロが太鼓判】いざというとき知らないと後悔する「遺品整理のコツ」2選…「本質はたったコレだけ」』へ続く
赤澤 健一(グッドホールディングス株式会社代表取締役社長)