静岡県人事委員会（小川良昭委員長）は11日、2024年度の県職員の月給と特別給（ボーナス）を引き上げるよう鈴木康友知事に勧告した。月給、特別給ともに引き上げ勧告は3年連続。引き上げ幅は月給が平均2・61％、特別給は0・10カ月分。月給上げ幅は1992年の2・83％以来、32年ぶりの高水準となる。初任給の最大2万3600円引き上げは平成以降最大となった。 　県人事委によると、行政職（平均42・4歳）の4月分給与は38万1506円で民間を9988円（2・62％）下回った。較差も32年ぶりの大きさという。 　勧告では、大卒初任給を2万3200円、高卒初任給を2万3600円引き上げる。給料表も若年層に特に重点を置きつつ、全年代で引き上げることとした。子どもの扶養手当は1人当たりの月額を1千円上乗せし、月額1万2千円とした。 　特別給は民間との支給月数の差が0・12カ月あり、期末手当と勤勉手当をそれぞれ0・05カ月分引き上げ、年間4・60カ月分にするよう求めた。月給はことし4月にさかのぼって、特別給は12月1日から適用するよう示した。 　勧告通りに改定した場合、諸手当を除いた給与と特別給引き上げによる影響額は92億5300万円と試算している。 　勧告では給与制度のアップデートも求めた。扶養手当は25年度に子ども1人月額1万3千円、26年度には1万4千円と段階的に引き上げるが、配偶者の手当は26年度までに段階的に廃止とした。県内一律3・7％の地域手当を4・15％とするほか、通勤手当の支給限度額を月額8万円から月額15万円に引き上げることも盛り込んだ。 　鈴木知事は「国や他の都道府県の動向を注視し、勧告を尊重する基本姿勢で臨む。給与制度のアップデートも静岡県の実情を検討し適切に対応したい」とコメントした。