《中学受験シーズン到来》桜蔭が女子御三家の中で“頭ひとつ抜けた”一番人気である意外な理由「学校の教育力よりも…」
過熱する一方の首都圏の中学受験熱。東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県の中学受験率は過去最高値の更新が続き、東京都ではついに18%を超えた。中でも文京区では、今年も私立中学への進学者が50%近くに達している。この数字には国立や都立の中高一貫校へ進んだ生徒の数は含まれないため、中学受験をする子の割合はさらに高いことになる。 【写真】桜蔭生の6割が通う「東大専門」の塾も。中学受験に成功しても、戦いは大学受験→就職活動まで続いていく 筆者は数年にわたって中学受験家族の取材を続けてきたが、あらためて痛感するのは中学受験の“主役”は親であり、そして大学受験まで続く6年にわたる戦いの始まりでしかないことだ。 御三家を筆頭に偏差値上位校への入学を決めた家庭には“策士ママ”がいることがとても多い。また、女子校として最多の東大合格実績を誇る桜蔭の成功を支える“裏の事情”も見えてきた。 この秋発売となった『 中学受験のリアル 』(集英社インターナショナル)では5年間の取材で特に印象に残った15組の親子の生々しい受験模様をまとめている。
過干渉によってトラブルを引き起こす“策士ママ”も
中学受験をすると言っても最近は大学入試の総合型選抜さながらの特色ある入試を実施する学校が増え、ペーパーテストだけの勝負ではないところも出てきた。 そのため、中学受験への準備の仕方は多様化し、インターネット上では情報が飛び交い、前にも増して熱心な親が増えている。情報が手に入れやすくなったのはいいことのように思えるが、一方で情報過多によるデメリットも生じている。 例えば、偏差値上位校を目指す研究熱心な親の中には塾名だけでなく〇〇塾の〇〇校舎あるいは〇〇先生のいる校舎に入れたいなど、入塾から綿密に考える人も多く、過干渉によって子どもに精神的なトラブルが生じる家庭も出ている。 女子御三家入学を果たしたA子さんの家庭は、娘がまだ幼い頃から中学受験を視野に入れていた。当初から御三家を考えていたわけではないが、受験をすることは決めており、中学受験において親の手厚いサポートは必須だと感じていたという。 しかし夫婦ともにフルタイムで働いていたため、時間を確保するために「第二子の出産」を利用することにしたという。つまり産休・育休や時短勤務が使える時期に長女の中学受験がくるように妊娠の時期を綿密に計画したのだ。