“転ばぬ先の杖”のアプローチ練習 体調不良から復帰の渋野日向子のリスクヘッジとは
<TOTOジャパンクラシック 事前情報◇30日◇瀬田ゴルフコース 北コース(滋賀県)◇6616ヤード・パー72> 渋野日向子はライトブルーのパンツルック【前夜祭フォト】 まだ体調は万全ではない。それでも、苦しい時間を過ごした渋野日向子に笑顔が戻ってきた。落ちついたピンクのスカート姿を披露したプロアマ大会。その後の会見では何度も力強い言葉を口にした。 2週前の韓国での「BMW女子選手権」を開幕前日に欠場した。その日のうちに帰国し、岡山の実家で静養に努めた。「ケガとかじゃないです。全身というか体がパンパンになって、関節が曲がらなかった。痛かったですね」。病院で検査を受けても詳しい原因は分からなかったという。 翌週のマレーシアの試合はもともと出る予定がなく、思わぬ形で2週間の“秋休み”となった。「最初はかなり、ぼっ~としていました。動かないようにしていて、クラブを握ったのは先週の土曜、日曜くらいかな」。母国で迎える3週ぶりの復帰戦。「自国開催はこの大会だけ。メジャーとかも大事だけど、TOTOもすごく大事にしている大会。日本で試合ができる喜びをかみしめながら、4日間できたらいいなと思います」。完治はしていない。薬の服用も欠かせない。それでも、シブコ節で悲壮感を包み込み、笑顔で決意表明した。 「徐々に良くなってきているし、出場するのはもちろん出られる状態になったから。状態ですか? う~ん。マイナス2かな。でも、結果を求めたいという気持ちはめちゃくちゃあります」 飛距離はまだ戻っていない。雨の影響もあって、フェアウェイはやわらかい。「いつも以上に長い距離が残ると思う」と苦戦は覚悟している。ただ、そこは想定済み。短い期間の調整は「10ヤード以内のアプローチを大事に練習している」とグリーン周りに時間を費やした。「ショットにいいイメージがないので、そういうのを打たされることが多くなるかなと。そこも頭に入れて練習してきました」。体に負担のかかるショット練習はまだ厳しい。無理して球数をこなすよりも、ミスが出ることを前提に、どれだけリカバリーするかに腐心してきた。 ポイントランキングは現在56位。最終戦の「CMEグループ・ツアー選手権」に出場できる同60位以内を死守するためにも、今大会を含めた3試合が大事になってくる。「ここから残りは全部出るつもり。一日一日、一打一打を悔いがないように打っていきたい」。米ツアー3年目も最終盤。11月15日の26歳の誕生日を笑顔で迎えるためにも、やれることはすべてやる。(文・臼杵孝志)