<かつて魔法少女と悪は敵対していた。>藤原ここあさんの未完の名作 アニメ化の挑戦 “胸がギュッとなる瞬間”を映像に
「ここあ先生の『ここがキュンだよ』『ここを見て』というのがすごく分かりやすい。4コマも細切れではなく、全てが地続きになるように描かれているので、テレビアニメで描く際も、ぶつ切りにはしないで、没入感を持って話を追ってもらえるようにしたい、地続きの話として見せたいと思っていました」
大橋監督ら制作陣が、「まほあく」をアニメ化する上で最も大切にしたのは「ファンの方に喜んでもらえるものを作りたい」ということだった。テレビアニメは各話15分となっているが、そのフォーマットを採用したのも「余計なものを足さない」という方針からだった。ミラ役の小野友樹さん、白夜役の中原麻衣さんら声優陣も、2015年に発売されたドラマCDからの続投となった。
「ドラマCDもここあ先生が全て監修されていて、シナリオもここあ先生が書いてらっしゃって、アフレコにも立ち会われたということでした。ここあ先生とお仕事をしたことがある声優さんが入ってくださるということは、とても心強いので、ぜひそのままでやっていただきたかったですし、ファンの方もきっとそれを望んでらっしゃるだろうなと」
◇思わず胸がギュッとなる特別なシーン 恥ずかしい二人をそばで目撃するような
アニメは、白夜とミラの胸キュンシーンなど特別なシーンが美しく表現されている。大橋監督は、原作の「思わずギュッと胸が苦しくなるようなシーン」をアニメでも際立たせたいと考えた。
「原作の4コマ部分に当たるわちゃわちゃと楽しいところは、漫符(まんぷ)もあるし、イメージBG(背景)も入れるし、チビキャラにもなるというように、原作の雰囲気はそのまま残しつつ、ここあ先生が4コマではない普通のコマ割で描いてらっしゃるところは、先生自身も読者にグッと入ってもらいたいと思って描いてらっしゃるように感じたので、それをうまく両立させられないかなと思って。マンガっぽいところも残しつつ、光の表現をきちんと入れつつ、ちょっと雰囲気が変わったような感じで、皆さんが息を止めてじっと見るようなカットを入れたいと思っていました」