「イボ」実は皮膚がん?受診が必要なサイン2つ 日光を長い間浴びて、放置すると危険な状態に
顔や首まわりにできやすいイボ。年齢とともに徐々に増えていくこともあり、見た目にも触ったときにも気になるもの。大きく分けると紫外線や加齢によってできるタイプとウイルス性のタイプがあり、どちらも保険診療で除去できる。しかしイボと見間違えるものの中には、がんの初期段階の可能性があるタイプもあるので、要注意だ。イボの種類や取り方、放置すると危険なタイプについて、川端皮膚科クリニックの川端康浩医師に聞いた。 【この記事の他の画像を見る】
【東洋経済オンラインで2023年1月28日に公開した記事の再配信です】 イボとは、皮膚の一部が盛り上がった小さなできもので、良性の場合、紫外線や加齢が原因となる「脂漏性角化症」や「軟性線維腫(アクロコルドン)」と、ウイルスに感染したことによる「ウイルス性疣贅(ゆうぜい)」に大きく分けられる。 脂漏性角化症は、頭や顔、胸、背中にできやすく、40代ごろから発生することが多い。60歳以上になると、約8割の人にできているほど身近な症状だ。
■紫外線の刺激でイボができる 原因の1つは、長期にわたる紫外線の刺激だ。 皮膚は外側から順に「表皮」「真皮」「皮下組織」の3層にわかれる。表皮はさらに表面の「角質層」から最下層にある「基底層」まで4層で構成されている。 紫外線を浴びると、基底層でメラノサイト(色素細胞)が活性化し、メラニンと呼ばれる黒色の色素が過剰に生成される。 このメラニンが、表皮を構成する細胞(ケラチノサイト)に滞留すると、色素沈着が起こり、シミ(日光性黒子、または老人性色素斑)ができる。
加齢によって新陳代謝が低下するとシミが発生した表皮は厚みを増していき、表皮の最も外側にある角質層も分厚くなることで、イボとなる。つまりシミの延長線上に、脂漏性角化症があるといえる。 とくに紫外線を浴びると皮膚が赤くなるタイプの人は、イボが発生しやすい。 茶褐色や黒褐色のものが多いが、もとの皮膚の色とほとんど変わらない場合もある。大きさは数ミリ程度から数センチ程度、形状はドーム状に隆起するものもあれば、ほとんど盛り上がらないものもあり、さまざまだ。