「イボ」実は皮膚がん?受診が必要なサイン2つ 日光を長い間浴びて、放置すると危険な状態に
話は変わるが、イボにはドラッグストアなどで購入できる市販薬もある。ただし、川端医師は「無効な薬もある」と注意を呼びかける。とくに気を付けたいのは、イボの市販薬として代表的な漢方の生薬ヨクイニン(ハトムギの皮を取り除いた種子)を使用した飲み薬だ。 「ヨクイニンを使用した飲み薬は、本来はウイルス性のイボに対して有効性が認められているもので、脂漏性角化症や軟性線維腫には無効です。それにもかかわらず、脂漏性角化症や軟性線維腫に効果があるかのように掲載している広告もあるので、注意してください」
イボの市販薬にはほかにサリチル酸を使用した塗り薬や貼り薬もある。サリチル酸は、厚く硬くなった皮膚をやわらかくする作用があるので、イボが目立たなくなることもある。ただ、「刺激が強いので、顔や首などに使用するのは危険です」(川端医師)という。 ■皮膚の接触でうつる「ウイルス性のイボ」 一方、ウイルスが原因のイボ(ウイルス性疣贅)は、形状や、できやすい場所によってさまざまな種類がある。指先や手のひら、ひざの裏、足の裏などにできやすいのが「尋常性疣贅」、青壮年の顔面や手の甲にできやすいのが「扁平疣贅」などで、どれもヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が原因となって発症する。
HPVは性交渉によって感染する尖圭コンジローマや子宮頸がんなどの原因となるウイルスでもあるが、イボの原因となるHPVとはタイプが異なる。また、水イボ(伝染性軟属腫)の原因となるウイルスともまったく異なる。 ウイルス性のイボは皮膚の接触でうつるが、基本的に健康な皮膚には感染しにくい。 「アトピー性皮膚炎などで肌荒れを起こしていたり、乾燥や髭剃りなどで傷ができていたりするとウイルス感染しやすくなります。ウイルス性疣贅に効く抗ウイルス薬はないので、治療は脂漏性角化症などと同様、凍結療法が基本となります」(川端医師)