米国株は「トリプルウィッチング」で波乱も-5.5兆ドル期日到来
コチュバ氏は「オプション市場は上向きに伸長し過ぎている。もみ合い相場が始まり、市場はもう少し不安定になるだろう」と述べた。
ディーラーにとって大量の取引期限満了は、ポジションをロールもしくはオフセットするか、あるいは完全に決済するかという厳しい選択を意味する。「トリプルウィッチング・アワー」と呼ばれる取引終盤最後の1時間に、さらに相場変動に拍車がかかる可能性がある。
満期の正確な規模に関する試算は、アナリストの計算方法によって異なり、例えばシティグループは4兆8000億ドルという比較的少ない数字を公表している。ただ、アナリストらは正確な数字に関係なく、21日に期日を迎える額は3月と昨年12月の過去2回の水準とほぼ同じになるだろうと話している。
四半期ごとのオプション満期が与える影響は誇張されがちだと市場関係者は注意するが、それでも株価のわずかな変動でさえ、最近の極端な静けさとはかなり異なる展開になり得る。シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー指数(VIX)は4月の一時的な上昇を除けば、今四半期は2020年初頭以来の低水準で推移してきた。
コチュバ氏によれば、今回はエヌビディアもさらなる役割を果たすという。満期を迎えるエヌビディア株オプションの建玉残高は、原資産別ではS&P500種株価指数に次いで2番目に大きい。これは「SPDR・S&P500ETFトラスト」(ティッカー:SPY)やナスダック100指数、同指数に連動する最も人気のあるETFを上回るもので、従来のパターンが一変しエヌビディアの株式市場全般における影響力の大きさを浮き彫りにしている。
原題:Wall Street’s $5.5 Trillion Triple-Witching to Test Market Calm(抜粋)
--取材協力:Natalia Kniazhevich.
(c)2024 Bloomberg L.P.
Carly Wanna