サッカーJ2・ロアッソ熊本、ホーム最終戦は逆転勝利でサポーター歓声…選手と「カモンロッソ」熱唱
サッカーJ2・ロアッソ熊本は第37節の4日、えがお健康スタジアム(熊本市東区)でベガルタ仙台を3―1で下し、今季のホーム最終戦を白星で飾った。通算成績を13勝7分け17敗(勝ち点46)とし、順位を12位に上げた。スタジアムには6871人のサポーターらの歓声が響き渡った。リーグ最終戦は10日にある。(高城琴音、小波津晴香) 【写真】ホーム最終戦での勝利に沸く熊本のサポーターたち
開始2分で仙台に先制された熊本は16分、FW石川大地選手が背後からのボールを右足でダイレクトシュートし、同点に追いついた。61分には、再び石川選手が左からのクロスに頭で合わせ、今季チーム最多となる10得点目を決めて勝ち越した。78分には途中出場のFW大崎舜選手が追加点を挙げて突き放した。
終了後、選手たちは観客席の前で、サポーターらと応援歌「カモンロッソ」を熱唱した。今季で退任する藤本主税ヘッドコーチは「自分らしく旅立ちます。また会いましょう」と涙混じりに感謝を伝えた。
熊本は今季、苦しい試合展開が続いた。5、6月には、J3降格圏となる18位にまで落ち込んだ。9月に4連勝して順位を上げ、第35節でJ2残留を決めた。
2022年はクラブ最高の4位とJ1参入プレーオフ進出、23年は天皇杯で4強入りしたが、今季はホーム戦19試合のうち、勝ったのはわずか4試合。大きな見せ場を作れなかった。
ホーム最終戦を観戦した熊本市南区、自営業のサポーター(44)は「シーズン終盤で戦術が洗練され、面白いサッカーを見せてくれた。来季は期待したい」と話した。
第38節の10日は、IAIスタジアム日本平(静岡市清水区)で午後2時から、J2優勝を飾った1位の清水エスパルスと対戦する。
熊本の大木武監督は試合後のセレモニーで、「J1昇格という目標を掲げたが、思うようにいかなかったのは私のいたらなさだ」と述べたうえで、今季の応援に「本当に感謝の一言」と謝辞を伝えた。
記者会見では最終戦への意気込みを問われ、「最後だとか、そういうのはあまり好きじゃない。勝ちに行く、ただそれだけだ」と語った。
今季初めて主将を務めた上村周平選手は報道陣の取材に、「勝てて良かったが、J1昇格の目標を達成できず悔しさがある。自分たちのサッカーができれば負けない自信がある。来季も期待してもらえるようなサッカーを見せたい」と話した。