「第2回大阪万博」が盛り上がらないのは前回のアポロ月着陸を超える科学技術上の快挙がないから~「人類の進歩と調和」は実現されたのか
「人類の進歩と調和」はどうなった
2025年開催予定の「第2回大阪万博」の問題点については、前記「万博もオリンピックも20世紀の遺物、大阪万博は開催すべきなのか? そしてパリ・オリンピックも?」ですでに述べた。 また、長州新聞 昨年9月20日「泥船化する大阪万博・カジノ構想 海外からもそっぽ向かれ 国に泣きつく大阪維新 膨らむのは公的負担のみ」で伝えられるように、「大阪維新」の責任を問う声も多い。 だが、より根源的には「無邪気な『科学技術新興』」に裏打ちされた『万国博覧会』そのものの『オワコン化』」が、盛り上がらない根本的原因だと考える。 「20世紀少年」であった私は、1970年における「科学技術への熱狂」を目撃した。しかしそれから54年が経過した現在、「科学技術が人間を幸福にするのか」という大きな「問い」が生まれている。5月26日公開「経済的繁栄は、ネットは、人々を『幸福』にしたか? 幸せを感じるのは人間の心だ」で述べた、インターネットやITもその中に含まれる。 さらに、半世紀以上経っても「オリンピック休戦」どころか「ボイコット」が横行するのが現状だ。その上、「ジャイアン・アメリカ」主導の「ル―ル無用の経済制裁」によって世界秩序が壊されつつある。 1970年に我々が無邪気に信じていた「人類の進歩と調和」は一体どこに行ってしまったのであろうか。 「科学技術の『進歩』」と、世界の「調和(平和)」の問題に真正面から取り組まずに、いくら「箱」だけを巨額な費用を投じて建設しても、だれの心にも響かない。
大原 浩(国際投資アナリスト)