もう「1000円の壁」は関係ない?1000円超えの「冷凍ラーメン」が爆売れしているワケ
値段はどのようにして決めたのか?
「ヌードルツアーズ」の冷凍ラーメン自販機は、全国の各ラーメン店がつくったスープと、製麺所である当社(丸山製麺)でお店の味を完全再現した冷凍生麺、チャーシューやメンマといった具材を入れて、1000円で販売しています。 2021年3月に販売を開始し、現在では全国216か所(2024年5月時点)に設置。2021年の販売開始以降、一番多いときには自販機1台で1日300~400食売れ、販売開始から3年で、累計販売食数は50万食を突破しています。 また、他社が展開する冷凍ラーメン自販機も合わせると、全国に600台以上が設置されており、どれも1000円を超えた価格をメインに設定しています。 「ヌードルツアーズ」の原価は、主にお店から仕入れるスープの値段、生麺の原材料費、具材費、配送費、冷凍自販機の電気代です。 ラーメン店との一番の違いは、消費者に自販機で購入してもらうため、販売や調理、配膳をするための人件費(一般的なラーメン店では、売上高に対する人件費の割合が20~30%を占めます)がかからない点です。 それでも冷凍ラーメンの原価を計算すると、利益を得るためには1000円以上にすることは必須でした。自販機という販売方法のため、お釣りがでないように1000円と設定して販売を開始しましたが、利益率はギリギリといった具合です。 ラーメン店における原価高騰に着目します。製麺事業も行う当社では、昨年、小麦の原価高騰の影響から麺の値上げを実施しました。昨今の物価高により、他の食材も軒並み値上げをしています。 さらに、人手不足による人件費の増加、光熱費の値上げも考えると、これまで1000円未満で販売をしてきたラーメンの価格に値上げ分を反映させた場合、ラーメン1杯1200~1300円ほどにしなければならないのではと考えております。 そのため、今でもおいしいラーメンを1000円未満で販売している店主さんは、本当にすごい努力をされていると尊敬すると同時に、利益を考えると心配にもなります。