「学校をアップデートしたい」3人の子の母がユニーク授業に込めた教育改革の思い
児童が教師に代わって授業を進めたり、校舎を人体に見立てた脱出ゲームで生命現象を学んだり―。公立学校などの6人の教員が登壇し、子ども主体のユニークな授業の実践例を熱っぽくプレゼンした。 【写真】「オモロー授業発表会」を開いた団体の代表の山本さん 昨年12月に滋賀で初めて開かれた「オモロー授業発表会」。主催団体「ど真ん中に愛がある!SHIGAから日本の教育を面白くする会」の代表を務める山本亜沙子さんは「生き生きと話す先生の姿が見られてうれしかった」と振り返る。 発表会は、アパレル会社経営の久本和明さん=兵庫県=が、教育の変革を目指して2023年に始めた。教員らが日々の取り組みや思いを語る場として、全国に広まっている。 自身は3人の子の母親で、中学のPTA会長も務める。かつて、わが子に「なんで学校行かなあかんの」と言われ、当たり前だと感じていた公教育に疑問を抱くようになった。 国内外の教育について調べる中、昨年6月に名古屋で行われた発表会を見て胸を打たれた。「批判ではなく、明るく前向きに先生を応援する。私も関われると思った」 地元開催に向け、同じ思いの人たちと会を立ち上げ、出演する教員を募った。発表内容はさまざまだが、「根本にあるのは、子どもの持つ力を信じて当たり前の枠にはまらない工夫や、先生自身が楽しんでいること。そこに感動があるのが『オモロー』の良さ」という。 当日の会場は約180人で埋まり、笑いや驚き、涙に包まれた。教員、保護者、地域の人…。近くに座る人同士の対話の時間も長く用意した。「つながりも大切。それぞれが感じたこと、いいなと思ったことを持ち帰ってもらえれば」と話す。 次回は6月に予定し、複数の教員から「私も出たい」との声が寄せられている。「渦のようにいろんな人を巻き込みたい。みんなで学校をもう少し自由に、アップデートできたらいいですね」。滋賀県守山市在住。