「アメリカの球団はほぼ絞れています」大谷翔平もやらなかった「二刀流で直接米球界へ」小中高一貫進学校・桐朋高の“怪童”森井翔太郎とは何者か
最速153キロ、高校通算45発の素質を持ち、日本のドラフトを断って直接アメリカのマイナーリーグへ――そんな破天荒な球児が、甲子園と無縁、偏差値71の名門進学校にいる。ある意味、大谷翔平さえ通っていない未踏の道へ歩み出そうとする二刀流の少年はいかに生まれたのか。桐朋高校に本人を訪ねた。〈NumberWebインタビュー全2回の1回目/後編はこちら〉 【写真】「な、なかなかムキムキですな…」進学校でひとりデカい森井翔太郎の打撃・守備と、名門・桐朋高の様子をチラ見できる写真を見る 東京都の中央部に位置する国立市。一橋大学を中心に多くの教育機関が集まることから、都内屈指の文教地区として知られている。国立駅の南口から一直線に伸びるメイン通りは、「大学通り」と呼ばれ、沿道には桜や銀杏、ケヤキの木などが並ぶ。1500メートルも直線が続くことから、飛行機の滑走路として使われたとも言われるほどだが、今では四季折々の彩りが楽しめることから、「新東京百景」にも選出されている。 その大学通りのちょうど中間にある桐朋高から、米国へ飛び立とうとする18歳がいる。森井翔太郎。2024年は東大に12名、京大に8名の合格者を出すなど、偏差値71を誇る幼小中高一貫の進学校で、野球部の3年生12人中、5人が医学部を目指す中、一人だけ「メジャーリーグ」志望を貫き通す。
MLB複数球団から届いたオファー
桐朋高からプロ野球選手誕生となれば、早大からロッテの前身となる大毎オリオンズ入りした斎藤幸夫さん以来、2人目の快挙だ。MLBの複数球団からオファーが届き、マイナー契約に向けて面談、交渉を重ねてきた。 「球団は1月中旬ぐらいの本契約に向けて、大分いい感じで絞れてきているかなと思っています。夏休みまでは、米国の大学に行くという選択肢もあったので、TOEFLの勉強をしていたのですが、今は資格の勉強よりも、息抜きで洋画や英語のニュースを見たりしています。英語を聞くのは元々得意なので、米国に行く前にその辺りを伸ばしていければと思っています」
球速153キロ、高校45本塁打の伸びしろ
引退後は新チームの練習に参加しながら技術を磨いている。「体の強さが全然足りていない」というが、引退後から体重は5キロ増え、183センチ、90キロを超える堂々たるシルエットは、現役部員より一回り、いや二回りほど大きく見える。 その恵まれた体格で、投げては153キロ、打っては高校通算45本塁打をマークした。ただ、これだけの数字を叩き出しながら「まだウエイトトレーニングをやったことがない」というから、その伸びしろは計り知れない。 森井は小学受験を勝ち抜き、桐朋学園の自主性を尊重する自由な校風の中で12年間を過ごした。多摩地区で人気のある桐朋学園小の受験倍率は毎年10倍ほどあり、森井少年も「お受験」対策用の塾に通い、感性を磨いていった。
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