【高校バレー】春高のニューヒロインを探せ!奈良文化高校・藤井唯玖未が挑む最後の春高
◾️苦難を乗り越えたチームの集大成、リベロ・林が急成長
そのチーム作りの集大成と言っても良いだろう。年末の合宿を経て、奈良文化には何よりも頼もしい、ラストピースが揃った。マネージャーを兼務して3年間頑張ってきた、林彩音(3年、大阪・建国中)がリベロとしてコートに立つ。チームメイトから「今年のチームの影のM V P」と称えられる林が、この1ヶ月で急成長したのだ。 「今年は、背の高い選手がいるわけではないので、ディフェンスの強化が課題。全国では、5ラリー以上粘るのがうちの持ち味になる。やっと形ができてきました」と山川監督。「一人一人の自覚と責任感も芽生え、粘り強く繋ぐ。自分たちの目指すバレーができるようになってきました。」とキャプテンの藤井も、確かな手応えを掴んでいるようだ。 苦労人の林が粘り強くボールを拾うことで、山川監督が期待する長いラリーとなり、最後に藤井が決める。奈良文化の必勝パターンが出来上がった。奈良文化の攻撃は、「ライト平行」をお家芸とするが、今年は、いつもと違った色にチームが仕上がった。 最後に、キャプテンで絶対的エースの藤井に春高での目標を聞くと、「高校に入ったときはディフェンスが苦手だったけど、なんでもできるプレイヤーになりたかったから、頑張ってきた。この3年間でディフェンスが上達しました。監督に勝利をプレゼントし、恩返しがしたい」と、目を輝かせた。 奈良の絶対的女王になるために、藤井を中心に試行錯誤を続けた3年間。奈良文化は、今日行われる大会1日目・1回戦でインターハイで敗れた岩手・盛岡誠桜と対戦する。夏の忘れ物を取りに行く、最高の舞台が待っている。
大槻文人