損保ジャパン社長「徹底した現場主義で風土変える」 BM問題などの再発防止策を強調
損害保険ジャパンの石川耕治社長は21日までに産経新聞のインタビューに応じた。損保大手4社が関わった企業向け保険料をめぐるカルテルや中古車販売大手のビッグモーター(BM、現ウィーカーズ)による自動車保険の保険金不正請求問題などの再発防止策では「徹底した現場主義」を掲げ、「原因となった悪い風土を徹底的に変える」と強調。自動運転社会の到来に向け、保険商品やサービスの開発にも取り組む。 【写真】店長に「罰金」指示か…激しい文言が並ぶ、ビッグモーター兼重宏行前社長名のメール 一連の不祥事の背景について、石川氏は長い年月をかけて、徐々に本社の経営陣と現場の距離が離れていったと指摘。本社主導で価値基準が営業優先に偏った点や、代理店とビジネスパートナーとして対等な関係を築けていなかった点を見直すなど「全てをお客さまの立場で考える会社になる」と誓った。7月末までに石川氏を含む新経営陣が手分けして国内の全拠点を訪問し、現場の社員と対話する機会も設けるという。 焦点となっている取引先企業との間で相互に株式を持ち合う「政策保有株」の削減については、令和12年度末でゼロにする目標達成を強調。各企業との交渉次第としつつ、前倒し達成の可能性は否定しないとの認識も披露した。 主力である国内損保の事業環境については、人口減少や自動車の保有台数の減少などで厳しいと吐露。グループの介護ビジネス事業の協業を深めることや、デジタルを使った防災・減災のサービス導入など利用者のニーズに対応した新たな取り組みを進める考えも示した。 近い将来の普及が期待される一定条件下で無人運転が可能な「レベル4」の自動運転に対しては「どういう保険が求められるか検討している」と述べ、新商品開発に強い意欲を見せた。(永田岳彦、写真も)