英小売店頭価格の上昇率、ゼロ近くに低下-2021年10月以来の低水準
(ブルームバーグ): 英国の小売物価上昇率が2021年10月以来初めてゼロに近づいた。英小売協会(BRC)が1日発表した6月の小売店頭価格の上昇率は前年同月比0.2%と、5月の同0.6%から低下した。家計への圧力が緩和していることを示す新たな兆候となった。
テレビなどの一般商品の大幅値引きと、食品価格の伸びが継続的に鈍化したことが一因とみられる。食品価格の前年同月比の上昇率は2.5%と、5月の3.2%から低下した。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)時に記録的高騰となった食品価格上昇率は、バターやコーヒーなどの主要食料品価格の下落に助けられ、21年12月以来の低水準となった。
英食料・雑貨小売り最大手のテスコは6月、食料品価格のインフレが緩和されるにつれ、消費者は店舗やオンラインでより多くの買い物をしているとした。ケン・マーフィー最高経営責任者(CEO)は当時、「消費者心理の緩やかな改善が続いている」と述べ、年末までの同社の基本シナリオではインフレ率が一桁台と非常に低い水準を見込んでいると説明した。
今週4日に総選挙(下院選)の投開票を控えているスナク英首相は6月すでに、英国の物価上昇率がイングランド銀行(英中央銀行)の目標である2%をほぼ3年ぶりに達成したとして、家計圧迫の最悪期は脱したと宣言している。
原題:Inflation in UK Shops Falls Close to Zero (Correct)(抜粋)
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Kimberley Mannion