【万博を先出し!】オランダパビリオンを特別に体験!ボールの光は地球の資源量 地下水・水素活かすオランダ型『循環型経済』を海外取材で体感
建物が解体されたら…他の建物に活用できる仕組み
「循環」の考え方は建築にも。 (記者リポート)「建物の基礎に使われているあちらのレンガ、実は工場で余ったものが再利用されているといいます」 2019年に完成したトリオドス銀行の建物は、レンガのほか、天井裏のはりや柱などに別の建物で使われていたものを再利用しています。 建物に使われている全ての木材やガラスなどの材質や用途がインターネット上に登録されていて、建物が解体された場合には、すぐに他の建物に活用できる仕組みが整備されているのです。 (RAU architects シニアアーキテクト マルタ・ロイさん)「この地球は閉鎖系だと考えなければなりません。何も入ってこないし何も出ていきません。循環型経済の主な目標は、限られた資源を無限に活用することなんです」
水を分解して水素を取り出す工場
さらに、年間4億トン以上の貨物を扱うロッテルダム港では、風力や太陽光で作った電気で水を分解して水素を取り出す工場を建設中です。トラックや船の燃料などに活用するほか、貿易港の強みをいかして、他の国に水素を輸出することも計画しています。 (ロッテルダム港湾局 ニコ・ファン・ドーレン新規事業開発部長)「水素はガス田などに貯めることができます。新しいエネルギーシステムにおいて水素は便利な方法・物質です。ロッテルダム港の役割は、地元で使うだけでなく世界に運ぶことです。例えば大量の水素をドイツに輸出し、鉄鋼業や化学産業に使うつもりです」
パビリオンでは何が体験できる?特別に少し見せてもらった
こうしたオランダの循環型経済を万博でどう多くの人に伝えるのか。前回のドバイ万博で複数の国の展示を担当したオランダのチーム「Tellart」が、東京で日本人を対象に調査を実施。展示を模した映像を見てもらい、展示の意図が正しく伝わったかどうかなどを調べ、検討を重ねてきました。 詳細は明かせないとしたうえで、現在開発中というパビリオンの体験内容の一部を特別に見せてくれました。
「これは手で持てる“球体”です」
(Tellart リース・ストラバー制作統括)「これは手で持てる“球体”です。賢くて来場者の案内をしてくれます」 オランダパビリオンに来た人は、このボールを持って館内をめぐるといいます。 (記者リポート)「オランダの歴史の説明などがあった後、箱が出てきて、ボールを1人1つ受け取ることになります。このボールを受け取った後、こちらの金属の板にボールをかざすと…ボールが光るということで、これで準備完了だということです」 ボールの光は地球が持つ資源量を表していて、ストーリー仕立ての展示の中で循環型経済を楽しく理解してもらうために重要な役割を果たすといいます。 (Tellart リース・ストラバー制作統括)「残念ながら、実際に私たちが見せる展示には多くの秘密があります。私から言えることは、若者から高齢者まで幅広い来場者に向けたさまざまな体験内容を用意しているということです」 開幕まで残り半年、海外パビリオンの内容が少しずつ見えてきました。 (2024年10月7日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」内『特集』より)