社会人なら知っておきたい! ニュースキーワード「インフレ」「賃上げ」などを大江麻理子キャスターとおさらい!
テレビ東京『WBS(ワールドビジネスサテライト)』の大江麻理子キャスターがセレクトした“働く30代女性が今知っておくべきニュースキーワード”を自身の視点から解説する連載。今回は日本経済に関するニュースキーワードをピックアップ。 【フォトギャラリー】大江麻理子さんと考える社会問題「働く30代のニュースゼミナール」
【インフレ】物価上昇の中身に注目
「インフレーション(inflation)の略で、世の中のものやサービスの価格(物価)が上昇すること。逆に物価が下落することをデフレといいます。日本ではデフレが長く続いていましたが、コロナ禍やウクライナ情勢などを背景に原材料の価格が高騰。そのような外的な要因によるコストプッシュ型と呼ばれるインフレから、現在は徐々に日本経済の体力が上がってきたことによる、賃金の上昇を伴った物価上昇に中身が変わってきている局面です」
【日本株高】バブル期につけた史上最高値を更新
「日経平均株価が今年2月、バブル期につけた史上最高値3万8915円87銭を約34年ぶりに更新しました。好調の主な要因は日本企業の業績がよいことです。海外投資家たちも日本企業に注目しています。またアメリカでは半導体などハイテク企業の株価が好調でダウ平均株価も史上最高値を更新しましたし、東京証券取引所が取り組んでいる企業価値を上げるための市場改革や、中国経済の減速により中国以外の投資先として日本が選ばれていることも要因に挙げられます」
【賃上げ】私たちの給与はどうなる?
「政労使と呼ばれる、政府、連合などの労働者側、経団連などの企業側の三者が賃上げを目指す中、2023年の賃上げの上昇幅は3%を超えました。今年の賃上げ率は昨年を上回るのではと言われており、その規模が大企業だけでなく全国の中小企業まで及ぶかどうかが重要です。実現のためには、中小企業までお金が行き渡るように、大企業側が優越的な地位を乱用することなく適正な価格で取引が行われているのかを、しっかり見ていく必要があります」
【日銀の金融政策】日銀の望む経済状況とは?
「2013年に日銀が金融緩和を始めたときに掲げたのが、“2%の物価安定の目標”。持続的、安定的に2%を超える物価上昇率を達成する、つまりゆるやかなインフレ状態がずっと続く経済状況にしたいというのが日銀の金融政策の目標でした。当初は2年で達成する予定が10年以上たってしまい、いつになったら出口に向かえるのかと言われていましたが、日本経済がやっと政策変更を視野に入れられるような状況になってきたというのが現状だと思います」
大江麻理子 おおえ まりこ●テレビ東京報道局ニュースセンターキャスター。2001年入社。アナウンサーとして幅広い番組にて活躍後、’13年にニューヨーク支局に赴任。’14年春から『WBS(ワールドビジネスサテライト)』のメインキャスターを務める。 撮影/須藤敬一 ヘア&メイク/桑野泰成〈ilumi.ni〉 イラスト/松田奈津留(visiontrack) 取材・原文/佐久間知子 ※記事の内容は2024年2月の取材時点のものです。 ※BAILA2024年5月号掲載