そろそろ“フルモデルチェンジ”!? 17年モノ「ミニバン」に10年モノ「セダン」も!? ロングライフな「国産車」それぞれが愛される理由とは
マツダ2
「マツダ2」は、2014年に4代目「デミオ」として登場しました。 初代と二代目がコンパクトワゴンだったのに対して、3代目からはコンパクトハッチバックに路線を変更していました。 純粋なエンジン車でハイブリッド車に迫る燃費を実現したのも、この3代目モデルです。 さらに4代目は高級感を高め、他車のハッチバックモデルにはない魅力を発揮しています。 4代目の最大の特徴は、当時のマツダが力を入れていた、スカイアクティブ技術採用のガソリンエンジンとディーゼルエンジンを搭載したことです。 スカイアクティブ技術はマツダのファンを増やすことに成功し、マツダ イコール 高級で高性能というイメージすら出来上がりました。 車好きへの対応も忘れず、モデル途中には1500ccエンジンとMTを搭載した15MBというグレードを設定しています。 2019年にはマイナーチェンジとともに車名をマツダ2に変更、2021年にはエンジンの効率をさらに向上させる地道な改良を実施したり、2023年には若返りともいえるようなカラーコーディネートが可能なグレードのBDを設定するなど、常にリフレッシュを行っています。 他社のコンパクトなハッチバックモデルでは、安価で若者向きのイメージを出していたり、営業車の雰囲気すら漂わせてしまっていることが多々あります。 一方でマツダ2は、今や希少ともいえる、音や振動抑制に優れる4気筒エンジンを搭載し、高品質感を持ったクルマになっているといえます。 登場から年月が経過したモデルだからか、自動車メディアなどではトヨタからヤリスの供給を受け、姉妹車化されるなどの報道がたびたび出されます。 電動化の傾向が強くなる中で、マツダは慎重に次期モデルを検討しているのかもしれません。
カローラアクシオ/フィールダー
国産車の代表格だった「カローラ」も、様々な事情から“逃れられないモデル”になっています。 現在も生産されている「カローラアクシオ/フィールダー」は、アテンザと同じ2012年に登場しています。 本来の後継モデルとなるカローラ、カローラスポーツ、カローラツーリングは2019年から順次登場しており、新旧モデルが並行して販売されている形態が5年間も続いています。 この二系統は、共にカローラを名乗るものの位置づけはかなり異なっています。 カローラアクシオ/フィールダーは5ナンバーサイズのボディを採用、初代からの古き良き時代のセダンの雰囲気を受け継ぐ一方、カローラ/カローラスポーツ/カローラツーリング系列は、世界的に販売されている3ナンバーサイズのやや大きなモデルになっています。 そのため、双方のモデルではユーザー層が異なり、併売してもお客さんを奪い合っていないと予想されます。 現在のカローラアクシオ/フィールダーは、当初当初はシニア層のための使いやすいサイズの車とされていました。 その後、2013年にはハイブリッドモデルを追加、2015年には安価な衝突被害軽減ブレーキシステムのトヨタセーフティセンスCを追加するとともにトヨタ各車共通のグリルを採用、フィルダーにWXBなどのグレードを追加して、若返りを図りました。 そして2019年、後継となるカローラスポーツが登場するとラインナップを徐々に縮小し、現在ではビシネス用途志向のEXグレードのみとなっています。 この理由には、様々な要素が絡んでいると考えられます。 一部の法人ユーザーでは、携行品が外から見えないようにするため業務用車にセダンを指定していたり、控えめにするために5ナンバー車を指定する規定を設けていることがあります。 一方で、商用バンほどには積載性能を求めないなどの理由で快適性を優先、ライトバンよりも乗用車的なモデルを望むことがあります。 カローラアクシオ/フィールダーは、それらの法人需要を担っているのでしょう。 メーカーの生産設備の減価償却期間が終わり、販売台数が少なくても高い利益をもたらしていることも予想されます。 そんな理由から、わざわざモデルを廃止してお客さんを逃す理由はありませんから、継続しているのでしょう。