DeNA・桑原将志 気迫のヘッスラでソフトバンク・有原航平を攻略!
原点回帰を感じさせた。MVPに輝いたDeNA・桑原将志外野手(31)だ。 3日の日本シリーズ、DeNA対ソフトバンク第6戦(横浜スタジアム)の1回無死、ショートへの内野安打を放ち、一塁ベースへ気迫のヘッドスライディング。セーフの判定にスタンドは大興奮。ライトスタンドで撮影していた私は、熱いDeNAファンに囲まれ“夏の甲子園”にいるような熱量を感じながらシャッターを切った。 【写真】気迫で圧倒だ!内野安打を放ち気迫のヘッドスライディングを見せる桑原 3連勝と波に乗るDeNAだったが、この日の先発は初戦(26日、横浜スタジアム)で7回4安打無失点と封じ込まれているソフトバンク・有原航平。桑原自身も遊ゴロ、遊ゴロ、投直と無安打に抑えられていただけに、リベンジの思いは強かっただろう。全力疾走でトップスピードに乗り、ベース前で加速するかのようなヘッドスライディングは、スタンド全体に火を付ける起爆剤になった。マウンドの有原にプレッシャーをかけたことは、次打者の梶原の打球を一塁へ悪送球したシーンが物語っていた。牧を三振に仕留め、オースティンを併殺に打ち取りピンチを脱したが、前回とは違う空気を感じにちがいない。高校球児のように泥くさい桑原の気迫とスタンドの盛り上がりは、ポーカーフェースの心理をかき乱した。 2回には先頭の筒香から先制の中越えソロを浴び、戸柱、森に連打を許し、2死二、三塁の場面で桑原に左前2点適時打を打たれた。さらに3回は2死満塁で森に押し出し四球を与え追加点を許し、3回6安打3四死球の乱調で4失点。まさかの3回KOだ。 終わってみれば13安打11得点。ライトスタンドはノンストップのお祭りモード。私はカメラを握りながら、今夏取材した甲子園を思い出していた。ひたむきな球児たちの全力プレーがスタンド全体を巻き込んでいったように、桑原の全力プレーが試合の流れを作り、スタンドを巻き込んで強いソフトバンクを飲み込んだ。文句なしのMVPだ。(デイリースポーツ・開出牧)