グーグルとマイクロソフトも「トランプ就任式」に100万ドル寄付
グーグルとマイクロソフトが、トランプ次期米大統領の就任式基金に100万ドル(約1億5800万円)を寄付することが1月9日、複数のメディアの報道で明らかになった。米国では、すでに複数の大手企業やビリオネアたちが、次期政権との関係強化に向けた寄付を行っており、トランプの1月20日の就任式基金が集めた寄付の総額は、過去最高の1億7000万ドル(約270億円)に達したと報じられている。 ニュースサイトPoliticoは9日、グーグルがトランプの就任式に100万ドルを寄付すると報じた。同社のグローバル政府関係・公共政策責任者であるカラン・バティアは声明で、この寄付を行なうことを確認し、「YouTubeでの就任式のライブ配信や、ホームページへのリンクを通じて、就任式を支援できることをうれしく思う」と述べた。 フォーブスは、マイクロソフトもこれと同額の100万ドルの寄付を行なうことを確認している。また、アップルのティム・クックCEOも先週、個人として100万ドルの寄付を行なうと述べたが、アップルは会社としては寄付を行わない見通しだ。 トランプの電気自動車(EV)に関する政策や関税の影響を受ける可能性があるフォードも先月、100万ドルに加えて就任式で使用される複数の車両を寄付すると発表した。 OpenAIのサム・アルトマンCEOは先週、個人で100万ドルの寄付を行うと発表し、「トランプがAI時代に向けて我が国を導くことを期待しており、米国をこの分野の最先端に位置づけようとする彼の取り組みを支援したい」と述べていた。 アマゾンは、直接的な寄付に加えて100万ドル相当の現物寄付として就任式をストリーミング配信すると述べている。AI検索スタートアップのPerplexity(パープレキシティ)も、就任式基金に100万ドルを寄付することに加えて、自社のプレミアムソフトウェアの無料バージョンをトランプ政権に提供すると発表した。同社の最高ビジネス責任者であるドミトリー・シェヴェレンコはブルームバーグに対し、この寄付が「政権と良好なパートナーシップを築くためだ」と述べていた。 フォードは、2017年のトランプの1期目の就任式基金にも25万ドル(約4000万円)を寄付し、アマゾンも同年のイベントに現金と現物で5万8000ドル(約920万円)を寄付した。一方、メタは、2017年のトランプの就任式基金にも、2021年のバイデン大統領の就任式基金にも寄付していなかった。 マイクロソフトは、1期目のトランプとバイデン大統領の就任式それぞれに50万ドルずつ寄付しており、グーグルは、2017年のトランプの就任式に28万5000ドル(約4500万円)とバイデン大統領の就任式に33万7500ドル(約5300万円)を寄付していた。 ■寄付をする企業の狙い ABCニュースによると、20日のトランプの就任式基金はすでに1億7000万ドル(約270億円)以上を集めている。この金額は、4年前のバイデン大統領の就任式基金が集めた6200万ドル(約98億円)を大きく上回り、2016年のトランプ就任式における記録の1億700万ドル(約170億円)を超えている。 これらの企業による一連の寄付は、2期目の政権を迎えるトランプとの関係を修復または強化するための目的で行われている。トランプは、2021年1月6日の議事堂襲撃事件を受けてSNSプラットフォームから排除された後、アマゾンやメタを含む複数のテクノロジー企業に対して批判的な態度を示してきた。 メタのザッカーバーグが先月トランプと会談した際、同社の広報担当者は、ザッカーバーグが次期大統領との夕食会に招待されたことを感謝していると述べていた。一方、OpenAIのアルトマンは、これまでトランプから直接的な批判を受けていないが、先日は、彼と会社を相手取った訴訟を起こしたイーロン・マスクがトランプ政権に与える影響力に関して、「特に懸念はしていない」とコメントしていた。
Molly Bohannon