超高齢化の村に「乗り合いタクシー」 村民がアルバイトでドライバーに “買い物難民”「生活が楽になった」
深刻な運転手不足
東峰村で現在、営業しているタクシー会社は2社のみ、計4台しか運行していません。 東峰タクシー 赤尾太社長「家族でやってる会社なので、何かあれば『今日も休み』という形で営業しています。 Q.急に足りなくなることも― 東峰タクシー 赤尾太社長「もちろんあります。お客様をお断りすることもありますね」
特例を活用して住民がドライバーに
そこで、東峰村が目をつけたのが住民の運転による「乗合タクシー」です。タクシー運転手は通常「第二種運転免許」を所持し、緑ナンバーの営業車両が必要です。ただ、既存のバスやタクシー事業者のサービスが困難な場合には、「自家用有償旅客運送」という制度を活用すれば、特例で運転することができます。 運転手は住民ですが、東峰村では運行をタクシー会社などに委託しているため、アルコールチェックや車両点検などは一般のタクシーと同じように行われます。今では1日に約10人が利用していて、「運転手不足の解消につながる」と地元のタクシー会社も期待しています。ただし、走れる範囲は村内だけです。 東峰タクシー 赤尾太社長「二種免許を持っていないドライバーも雇用とすることができて、村内を移動する高齢者には大変好評です」
村でも予算を付けて支援
東峰村は2024年度、「のるーと東峰」の運行や管理に1150万円の予算を組んでいます。 東峰村 真田秀樹村長「今のところは、空いた時間にやってもらうような形になっているが、農業をしながら乗り合いタクシーの運転手をしたり、いろいろな仕事が体験できる仕組みができればと思っています。新しい仕事として価値を生めるのではないか」 東峰タクシーでは現在住民ドライバーを3人雇用していて、東峰村も新しい車両の導入することなども検討しています。 乗り合いタクシーは自宅まで迎えに来てくれるので、買い物だけでなく、温浴施設に行く際に利用する人も多く、さらに東峰村の住民以外も利用ができるので、観光客も含め、様々な目的で利用が期待されています。