風邪で大病院に行ったら「8000円」以上かかった! 数分診てもらって“処方箋”をもらっただけなのに、こんなに高いのって普通ですか?
体調が悪くなったり、けがをしたりしたときに少しでも大きい病院で診てもらいたいと考える人は多いかもしれません。近くの診療所よりも、地域で有名な大病院のほうが設備もそろっていて高度な医療を受けられそう……そう思って大病院を受診する人もいるでしょう。 しかし、軽い気持ちで大病院にかかると、会計が高額になるかもしれません。本記事では紹介状なしで大病院を受診したときにかかる「特別の料金」について解説します。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
紹介状なしで大病院にかかると7000円以上の特別の料金がかかる
紹介状なしに大病院を受診すると、特別の料金がかかります。2015年に成立した医療保険制度改革法により特別の料金の徴収が始まった当初は5000円以上、2022年の診療報酬改定により現在は7000円以上を徴収することが義務付けられているのです。 <特別の料金がかかる大病院> ・特定機能病院 ・一般病床数(医療法の規定に基づき許可等を受け、または届出をした病床数)が200床以上の地域医療支援病院 ・一般病床数(医療法の規定に基づき許可等を受け、または届出をした病床数)が200床以上の紹介受診重点医療機関 7000円は最低金額であり、1万3200円などさらに大きな金額を設定している病院もあります。なお、特別の料金には医療保険が適用できないため、保険証があっても全額自費で負担しなければなりません。当然、特別の料金とは別に通常の初診料など医療費の支払いが必要です。 前述の特別の料金がかかる大病院に該当しなくても、「一般許可病床数が200床以上」の病院は、義務ではないものの、任意で特別の料金を徴収できるものとされています。実際に4400円程度の特別の料金を徴収する病院があるようです。 なお、救急車で搬送されて受診した場合、国・地方の公費負担医療制度の受給対象者である場合などは特別の料金がかかりません。
大病院で特別の料金がかかる理由は?
大病院で特別の料金がかかる理由は、大病院と中小病院・診療所では役割が違うからです。中小病院・診療所の役割は、風邪や下痢、軽度なけがなど身近な症状に対応しながら、重い病気や専門的な治療が必要な人に紹介状を渡し、大病院受診を促すことです。 一方で、大病院は中小病院・診療所から紹介を受けた重症患者に対して、豊富な設備や専門性を生かした高度な医療サービスを提供します。それぞれが違った役割を果たすことによって、全体の医療の質を維持しているのです。 しかし本来、中小病院・診療所でも対応できる患者が大病院に集中してしまうと、大病院の負担が増えてしまい、重症患者への高度な医療提供という本来の役割を果たせなくなってしまいます。 大病院が徴収する特別の料金は、こういった状況を作りださないための仕組みです。大病院を受診するハードルを上げることにより、軽い症状の人に対して中小病院・診療所受診を促し、重症の人だけが大病院を受診する流れが作れます。 結果的に、中小病院・診療所と大病院の双方が本来の役割を果たせるようになるのです。