ビットコインが「こんなに爆上がり」している背景 「使わない」暗号資産を大金で買う人が増えた訳
「お金の本質を突く本で、これほど読みやすい本はない」 「勉強しようと思った本で、最後泣いちゃうなんて思ってなかった」 経済の教養が学べる小説『きみのお金は誰のため──ボスが教えてくれた「お金の謎」と「社会のしくみ」』には、発売直後から多くの感想の声が寄せられている。本書は「読者が選ぶビジネス書グランプリ」総合1位を獲得、19万部を突破した話題のベストセラーだ。 【写真】経済教養小説『きみのお金は誰のため』には、「勉強になった!」「ラストで泣いた」など、多くの読者の声が寄せられている。 著者の田内学氏は元ゴールドマン・サックスのトレーダー。資本主義の最前線で16年間戦ってきた田内氏はこう語る。
「みんながどんなにがんばっても、全員がお金持ちになることはできません。でも、みんなでがんばれば、全員が幸せになれる社会をつくることはできる。大切なのは、お金を増やすことではなく、そのお金をどこに流してどんな社会を作るかなんです」 今回は、2月後半から進行した「ビットコイン急騰」のウラで何が進んでいたのか、解説してもらう。 ■通貨と暗号資産、値上がり理由の根本的違い 日経平均が4万円を突破した。史上最高値を更新すると、「自分は乗り遅れていないか」と焦る人の声が聞こえてくる。これは株式市場に限ったことではない。
代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインも、3月に入って史上最高値を更新し、一時7万ドル(約1000万円)を超えた。2030年までに、150万ドルにもなるという予測もあるそうだ。 ドルなどの外国通貨への投資だけでなく、暗号資産への投資もここにきて注目を集めている。 この暗号資産の値上がりのメカニズムとは何なのだろうか。 筆者は長年、金融市場の値動きを見てきた。外国為替市場では、経済指標や中央銀行の動向、さまざまなイベントによって値動きは上下するが、根本的な値動きの理由は「需要と供給」だ。
買いたい人が多ければ価格は上がり、売りたい人が多ければ価格は下がる。発表された経済指標がどんなに良くても、買いたい人がいなければ値上がりすることはない。 この点については、暗号資産も通常の通貨(たとえばドルや円)も同じなのだが、両者には決定的な違いがある。 ドルや円には実体経済が背景にあって、実際の商品やサービスの取引で使用される。そのため、外国為替市場には、さまざまなプレイヤーが存在する。 海外旅行のためにドルを買う日本人旅行客。