プラ条約、結論持ち越し 生産規制で隔たり 会合再開は時期未定・政府間交渉委
【釜山時事】プラスチックによる汚染を防ぐための条約策定に向け、韓国の釜山で開催された政府間交渉委員会は2日未明、合意に至らず、結論を持ち越すことを決めた。 最終日だった1日になっても、焦点となったプラの生産規制などで各国の意見の隔たりが大きく、交渉は難航。2022年の国連環境総会で24年までの作業完了が決議されたが、さらなる時間が必要と判断した。会合再開の時期は決まっていない。 プラの生産を巡っては、欧州連合(EU)や、海洋プラ汚染の被害にさらされる島しょ国が、世界目標を設定して削減に取り組むよう主張。これに対し、産油国は規制を条約に盛り込むことに反対し、議論はこう着状態に陥った。バジャス議長は1日夜から始まった全体会合で「釜山で大きな進歩を遂げたが、作業は完成に程遠い」と表明。交渉を継続し、議長から同日示された新たな草案を次の会合の出発点と位置付けることが決まった。 草案では、石油由来のプラの生産を規制する選択肢と規制しない選択肢の両論を残した。規制する案では、生産だけでなく消費を含めて世界的な削減目標を設定。達成に向けて、生産や消費を「削減する」「維持する」「管理する」との三つの考え方が併記された。